昨年10月の歩行者死亡事故で運行を停止していました
GMの自動運転タクシー「Cruise」がカリフォルニア路上での試験運行を再開。運転手付き
GMの自動運転車部門Cruiseは、約1年間取りやめていた路上でのテスト運行を、カリフォルニア州で再開した。ただし、今回はいきなり無人での走行を行うのではなく、運転席にオペレーターが搭乗し、手動マッピングで走行する車両をまずは5台再導入した。
Cruiseは昨年10月2日に、サンフランシスコの横断歩道を歩行中に他の車に跳ねられて倒れ込んだ被害者を車体下に巻き込み、そのまま6mほど走行して被害者に乗った状態で停止した。
この事故により被害者は後に死亡、カリフォルニア州での自動運転車運行ライセンスを剥奪されたCruiseは、有人のロボタクシー事業の包括的な安全性確保に取り組むため、すべての事業をいったん停止、11月には当時のCEOカイル・フォークト氏が辞任している。
またGMはCruiseの予算を縮小し、経営陣の再編を行ったが、今年1月には米司法省と証券取引委員会(SEC)が規制当局に対し非協力的だとしてCruiseの調査を行った。
だが、その後Cruiseは事故の影響から少しずつ立ち直りつつある。運転席にオペレーターを乗せたCruiseロボタクシーは夏までにアリゾナとヒューストンで運行を再開した。
さらに、8月にはCruiseがシボレー・ボルトをベースに開発する自動運転車をUberのプラットフォームに導入するため、複数年の戦略的パートナーシップ契約を結んだことを発表している。
とはいえ、事故を起こしたカリフォルニアでの復帰は、以前に比べ非常に小規模かつ慎重な再開となった。Cruiseが人々の信頼を取り戻し、自動運転の安全性を証明するまでには、まだしばらく時間が必要かもしれない。