コスト上昇を価格に載せるか、アップルが被るのか

新型iPad Pro、3月末~4月に登場? アップルが850万枚の有機ELパネル発注か

Image:Dohma48/Shutterstock.com

アップルは3月内に新製品を投入すると噂されてきたが、そのうちM3搭載MacBook Air(13インチと15インチ)は実際にリリースされた。それに続き、iPad AirとiPad Proの新モデルも「3月末か4月頃」に発表だと著名ジャーナリストが報じている。

同社の未発表製品に詳しいBloombergのMark Gurman記者は、自らのニュースレター「Power On」最新号にて「改良された iPad Pro、新しい iPad Air(12.9インチ版を含む)」が発売準備中だと述べている。それと合わせて、新型Magic KeyboardやApple Pencilも同時に発売される見通しだという。

それら新ハードウェアの発表時期は、3月末~4月頃との予想。その頃には「iPadOS 17.4のソフトウェアも準備できているはずだ」として、次期iPad向けiPadOS特別バージョンの搭載を示唆している。

かたや台湾電子業界誌DigiTimesは、アップルが韓国のサムスンディスプレイとLGディスプレイに850万枚の有機ELパネルを発注したと報道。韓国経済新聞社からの引用として、次期iPad Proは早ければ3月発売であり、サイズは11インチと12.9インチの2種類だと述べている。

ちなみに、次期iPad Proのサイズは11インチと13インチ説が通説となっているが、12.9インチも誤差の範囲だろう(以下、DigiTimesの12.9インチを13インチと表記)。

11インチと13インチとは有機ELパネルメーカーが異なり、サムスンは11インチを、LGは13インチを製造するという。現在の受注状況では、サムスンは2024年内に400万台、LGは450万台を生産する見通しで、大型モデルの方が少し人気がある想定のようだ。

この「2モデル合計で、2024年内に約800万台を出荷」という見通しは、韓国サプライチェーン情報誌The Elecとほぼ一致している。以前の業界予想だった1000万台から、15~20%目減りしている格好だ。

The Elecは、サムスンとLGの分業体制は、1つには有機EL版iPad Proに関する需要の見通しが変わったこと。もう1つは、両社の生産能力や歩留まりが不安定であり、まだ新たなパネル技術に対応できていないためと説明していた。

次期iPad Pro用の有機ELパネルには、様々な新技術が投入されるといわれる。リジッド型ガラス基板+フレキシブルなポリイミドを組み合わせたハイブリッドフィルム、発光層を2段重ねにしたツースタックタンデム構造といったところだ。

それだけに大幅な値上げが予想されているが、一方でDigiTimesは従来モデルより160ドル(約2万3000円)ほど割高に収まると報道。製造コストが嵩んだとしても、価格に転嫁するかどうかはアップルの戦略次第であり、どちらもあり得るのだろう。

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