有機EL版iPad Proの値上げはほぼ確実
大型の12.9インチiPad Air、2024年前半に登場か。新型iPad miniは後半?
アップルは、2023年末までに新型iPadを1つも投入しない見通しだ。かたや来年は既存モデルすべてがアップデートされると有力視されているが、そこで焦点の1つとなっているのが「iPad Airの別バージョン」という噂話だろう。
著名アナリストMing-Chi Kuo氏は、これが12.9インチの大型iPad Airだと主張している。
Kuo氏は2024年のiPad新モデルにつき、ブログ記事を公開。このなかで、アップルは今年iPadの動きが乏しかったことを、2024年に既存モデルをアップグレードした新モデルを投入することで補うと予想している。
その皮切りとされるのが、新型チップを搭載した10.9インチと12.9インチ、2種類のiPad Airだ。これらは2024年第1四半期に量産が開始されるという。つまり、2024年前半に登場する可能性があるようだ。
Kuo氏によると、12.9インチiPad AirはミニLED(バックライト)を搭載しないものの、現行iPad Proと同じ酸化膜バックプレーン技術を採用するという。そのため、a-Si(アモルファスシリコン)を使った現行の10.9インチiPad Airよりもディスプレイ性能が優れているとのことだ。
ちなみにa-Si技術は、ProモデルのProMotion(最大120Hzの可変リフレッシュレート)を支えているものだ。以前、第7世代iPad miniにも搭載が噂されていたが、ディスプレイ専門アナリストRoss Young氏は否定的なコメントをしていた。
次に発売が予想されるのが、何度となく噂された有機EL版iPad Proだ。こちらは第1四半期~第2四半期までに量産が開始。M3プロセッサーを搭載しつつ、筐体デザインを刷新するという。
それらの有機ELパネルにはタンデム構造(発光層を二重に重ねる)とLTPOバックプレーン(iPhone 15 Proの常時表示を支える技術と同じ)を採用し、従来のミニLEDモデルよりも表示性能や省電力に優れているとのことだ。
2024年のiPad生産ロードマップの最後に位置づけられるのは、第7世代Pad miniと第11世代iPadである。前者の生産は2024年後半に延期され(以前は前半と予想)、後者も2024年後半との予想だ。これに伴い、販売中の第9世代iPadは生産終了になるという。
もっとも、全iPadのフルモデルチェンジ後も、iPadの出荷台数は2023年と比べて小幅な増加に留まると見られている。約5000万台から5200~5400万台に持ち直すが、それでも2022年の約6300万台には及ばないようだ。
また各モデルの価格だが、10.9インチのiPad Airが据え置かれ、12.9インチAirは確実に高価となる。そのため有機EL版の新型iPad Proは、棲み分け戦略を維持するためにも値上げされる可能性があるという。これは有名リーカーやサプライチェーン筋からの情報とも一致している。
さらに有機EL版iPad Pro2機種の出荷台数は600~800万台となり、既存モデルより出荷が少なめになるという。これは価格が高いことと、12.9インチiPad Airとの共食いの可能性があるため、とのこと。Proモデルが大幅な値上げになることは、ほぼ確実のようだ。