Appleシリコン版Mac Proもいよいよ視野に
次期MacBook Pro用「M2 Pro」「M2 Max」、TSMCの3nm技術で製造か
アップルが「今後数ヶ月以内」に次期14/16インチMacBook Proを発売すると予想されるなか、それらに搭載される「M2 Pro」および「M2 Max」チップがTSMCの3nmプロセス技術により製造されるとのサプライチェーン情報が伝えられている。
これは台湾の経済メディアである工商時報が報じていることだ。一時、M2 ProとM2 Maxは5nmプロセスに留まるとの予想が有力となっていた。しかし8月、工商時報が「アップルが年末までに、3nmプロセスを使う最初の顧客となる」と伝えたことに続き、TSMCが年内に3nmでの量産開始を正式発表したことで風向きが変わっていた。
ここでいう「3nm」「5nm」などは半導体の回路線幅を意味しており、プロセスルールと呼ばれる。この数値が小さくなるほど、一般的に処理能力が向上し、消費電力は低減する傾向がある。現行のM2チップ(MacBook AirやiPad Pro等に搭載)は5nmチップである。
さて工商時報によれば、M2 ProやM2 Maxの製造にはTSMCの3nmプロセス技術(「N3」とも呼ばれる)が使われるという。M2チップはM1と同じく5nmプロセス製造だったが、設計や製造技術がこなれ、その結果GPUコアの追加やクロック数の向上が可能となり、性能が約20%向上していた。それが3nmとなれば、相当なパフォーマンスの改善が見込めそうだ。
またM2 Proのコード名は「Rhodes Chop」であり、10コアCPUと20コアGPUを搭載するとのこと。より強力なM2 Maxのコード名は「Rhodes 1C」とされ、最大12コアのCPUと38コアのGPUを搭載すると伝えられている。
さらにパワフルな「M2 Ultra」や「M2 Extreme」も投入される予定とのこと。M2 Ultraは「Rhodes 2C」というコード名で、M2 Maxと比べてCPUとGPUのコア数が2倍だと述べられている。特にどのMacモデルに搭載されるか言及されていないが、仕様から考えてMac Studio(M1 MaxあるいはM1 Ultra搭載)の後継モデルが想定されているかもしれない。
興味深いのは、2つのM2 Ultraを統合した、最大48コアのCPUと152コアのGPUを搭載した「M2 Extreme」の噂だろう。この仕様は、先日BloombergのMark Gurman記者が次期Mac Pro用として述べたものと一致している。
ただし工商時報は「チップ設計が成熟し、TSMCの高度なパッケージング技術が順調に進めば」と但し書きを付けており、開発が難航している可能性もありそうだ。