3nmは「A17」や「M3」チップまでお預けかも

次期14/16インチMacBook Proは22年秋量産開始、プロセッサーは5nmのままか

Image:Apple

今年はアップルが9月と10月に新製品発表イベントを開催し、後者については新型MacやiPadが登場するとの説が有力となりつつある。

それを裏付けるように、有名アナリストが、次期14インチおよび16インチMacBook Proが第4四半期(10月~12月)に量産開始されると予想している。

この噂の発信源は、アップルのサプライチェーン情報に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏のツイートだ。それによれば「新しいプロセッサーを搭載した14インチと16インチのMacBook Proが第4四半期に量産に入る」という。

ただしKuo氏は、これまでの情報とは違う見解も述べている。それは、これらに搭載される「新型プロセッサー」の中身についてだ。(チップ生産を請け負う)TSMCが、3nm製造が2023年前半から収益貢献するとのガイダンスを発表していることから、今回のプロセッサーはまだ5nmプロセス(改良版)かもしれないというのだ。

先日、BloombergのMark Gurman記者は、「M2 Pro」と「M2 Max」を搭載したMacBook Proが開発中だと報じていた。どちらも前モデルと同じデザインかつ外部ポートとなりつつも、新型プロセッサーに載せ替えることで「グラフィックスに大きな注目が集まるだろう」と予想されていた次第だ。

そしてM2 ProとM2 Maxは、TSMCの3nmプロセスで製造されるとの予想が(Gurman氏は言及していないが)有力となりつつあった。

アップルがTSMCの3nmラインで最優先の顧客となることも間違いなさそうだが、Kuo氏の予想が正しければ、年内のMacBook Pro用チップには間に合わないのかもしれない。

たしかに、同じ「M2」ブランドのチップに3nmと5nmが入り混じるのは不自然でもある。またプロセスルール(回路線幅)が同じであれ、製造技術の改善により性能が向上することは、M1チップからM2チップへの移行(どちらも5nmプロセス)でも証明されていた。

しかし、5nmから3nmへの移行と比べれば、やはりパフォーマンスや省電力が改善される幅は小さいはず。ユーザーの評価が高い14インチ/16インチMacBook Proがさらに飛躍を遂げる…と期待していた人には残念な見通しだが、3nmチップは2023年のiPhone用「A17」チップや、Mac/iPadなど向けの「M3」チップまでお預けとなる可能性がありそうだ。

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