非侵襲性の血糖値センサー搭載は数年先になりそう

Apple Watch 2026年モデル、新デザインと8つの新センサーを採用か

多根清史

Image:ArtNebula86 / Shutterstock.com

2026年発売予定のApple Watchモデルでは、少なくとも1つが「大幅なデザイン変更」が行われる予定だと報じられている。

台湾の電子業界誌DigiTimesが引用するサプライチェーン関係者の証言によると、来年登場するハイエンドApple Watchモデルは「外装デザイン」が刷新されるという。具体的には、時計裏面のガラスカバー越しに「リング状に配置された8つのセンサー」が搭載される見込みとのことだ。

今年初めには、「Apple Watch Series 10」のプロトタイプとされる画像が流出していた。そこには製品版には存在しない「8本の白い線が入ったリング」が確認されており、今回のDigiTimesが報じた8つのセンサーと同一かどうかは不明である。

Image: @StellaFudge / X

Apple Watchでセンサーが増えることは理に適っている。近年、アップルは健康関連機能を拡張しており、血圧モニタリング機能の開発が進んでいるとする報道もあった。ただし、今年の「Apple Watch Series 11」に搭載されるかはまだ不明である。

追加センサーに加え、BloombergのMark Gurman記者は「ケースの薄型化」や「マグネット式バンド」の開発も進んでいると伝えていた。現行のSeries 10では確かに薄型化が進んだものの、マグネット式バンドはまだ実現していない。

今回のDigiTimesの報道では、Apple Watch Series 11がApple Intelligenceをサポートし、より高度な健康管理が可能になるとも述べている。しかし、Apple Watchのプロセッサー性能やRAM容量を考えると、単体での実現は難しいだろう。

実際、watchOS 26にはApple Intelligenceに関連する機能がいくつか確認されているが、これらはiPhoneとのペアリングを介して動作していると見られる。サムスンの“Galaxy Watch 7/8シリーズ”もGalaxy AI機能を提供しているが、生成AIや高度な処理はスマートフォン連携が必須である。

また、アップルは長年にわたり「非侵襲型の血糖値センサー」の開発に取り組んでいるとされる。しかし小型化に難航しており、Apple Watch搭載は数年先と予想されている。サムスンも多額の投資を続けているが、いまだにGalaxy Watchへの血糖値センサー搭載は実現していない。

現在、糖尿病患者は世界で5億人以上とされ、日常的・継続的な血糖モニタリング需要は極めて大きい。もし非侵襲型の血糖値センサーがスマートウォッチに搭載されれば、巨大な市場ポテンシャルを持つと広く認識されており、アップル/サムスンともに今後も粘り強く開発を続けることになりそうだ。

関連キーワード: