新型Apple Watchの発売ペースが落ちる可能性も

10周年記念モデル「Apple Watch X」はデザイン全面刷新?薄型ケースに新型バンド搭載の可能性

 Image:rvlsoft/Shutterstock.com

今年秋の「Apple Watch Series 9」は、数年ぶりにプロセッサーを刷新しながらも、その他の追加機能やデザインの変更はない見通しだ。しかし、10周年記念モデルとなる「Apple Watch Series X」では、Apple Watch史上最大のデザイン変更になると著名ジャーナリストが主張している。

アップルの社内情報に詳しいBloombergのMark Gurman記者は、同社がApple Watch 10周年を記念して「Watch X」モデルを計画しており、これまでで最大の刷新にしようと開発を進めていると伝えている。

「X」カテゴリーは、iPhone 10周年モデルとなる「iPhone X」を初とするものだ。そして初代Apple Watchは2014年に発表され、2015年に発売されたため、Watch Xは2024年~2025年に発売予定とのことだ。

このWatch Xモデルは、ケースがより薄くなり、バンドを本体に取り付ける方法の変更も検討しているという。Apple Watchでは初代モデルの頃から、バンドは筐体の側面から滑り込ませ、ロック機構で固定することを一貫してきた。そのため新旧モデルでバンドの互換性を維持できたのだが、この機構はかなりのスペースを占めており、より大容量のバッテリーや他の部品を搭載しにくくしている、とのことだ。

新たな機構としてマグネット式バンド固定システムが検討されているものの、それがWatch Xの発売に間に合うのかは不明。ほか、現在の有機EL画面の色や鮮明さを凌ぐマイクロLEDディスプレイや、血圧を測定する技術など、さらに大きな変化も控えているという。

このうち血圧測定センサーは、以前Gurman氏が予想した「早くて2024年に実現」とも符合している。ただしマイクロLED採用は2025年から2026年に延期された可能性が高まっており、10周年モデルには間に合わないかもしれない。

かたやGurman氏は、アップルが新型Apple Watchを投入するペースを落とすことを検討しているとも述べている。

アップルは初代モデル発売以来、新型モデルを毎年リリースしている。が、社内では幹部らがこのサイクルを切り替える案を熟考しているとのこと。なぜかといえば、「アップルは世代を重ねるごとに、消費者に新しいWatchを買う理由をあまり与えていない」からだという。

実際、毎年Apple Watch標準モデルの変更はかなり小幅に留まっている。昨年Series 8に追加された主なものは体温センサー、一昨年のSeries 7の目立った変化はディスプレイが広くなっただけ。大幅に性能向上した最後のモデルと呼べるのは、従来より高速なチップと血中酸素ウェルネス測定センサーを搭載した、2020年のSeries 6となっている。

そして9月12日に予定されている(とGurman氏が主張する)スペシャルイベントでは、新型iPhoneとともにApple Watch Series 9も発表される予定だが「新機能という点では、間違いなく製品史上最もマイナーなアップグレードだ」とのことだ。

かつてiPadも初期には毎年、新型モデルが投入されていた。しかし最近では、主要モデルは1年半に1回程度しかアップデートされていない。Apple Watchも、その例に倣うのかもしれない。

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