イーロンとアップルの「有望な会話」から約2年
iOS 18.3、iPhoneがスターリンク衛星接続に対応か。一部でテスト中、全世界に展開予定?
アップルは2022年に発売したiPhone 14シリーズで、初めて衛星経由の通信機能をiPhoneに搭載した。当時は緊急時のみ利用できたが、iOS 18では衛星接続により友人や家族にメッセージを送ることが可能となっている(米国およびカナダのみ)。
これまで、アップルはGlobalstarと提携することで本機能を提供してきた。だが、同社はiPhoneにスターリンク衛星接続を機能を追加するため「SpaceXとT-Mobileとも密かに協力している」と米Bloombergが報じている。
T-MobileとSpaceXは2022年に提携を発表しており、T-Mobileのスマートフォンが米国のほぼ全域で利用可能になることを目指すと標榜していた。それから2年後の昨年末、ようやくベータテストの登録を開始したばかりだ。
Bloomberg報道によると、T-Mobileは最近「少数のiPhone」にスターリンク衛星サービスの初期テストを許可し始めたという。これは今週リリースされたiOS 18.3と関連しているようだが、アップルは公式リリースノートで一切言及していない。
T-Mobileは一部のiPhoneユーザーに「あなたはT-Mobile Starlinkベータ版に参加している。ほぼどこからでも、衛星経由のテキストメッセージで接続を維持できる。さらに広い範囲でサービスを利用するには、iOS 18.3にアップデートされたい」というメッセージを送ったとのこと。
さらに公式サポートWebサイトも更新し、自社のスターリンク衛星サービスがiPhoneに対応していることを確認している。
今のところT-Mobileのスターリンク接続はテキストメッセージの送受信のみ対応しているが、将来的にはデータ通信や音声通話にも機能拡張する予定だという。Globalstarのテキストメッセージ限定とは対照的である。
両サービスのもう1つの大きな違いは、ユーザーが接続を試みるときの方法だ。現在のGlobalstar経由接続は衛星を見つけるためiPhoneを空に向ける必要があるが、スターリンクはiPhoneがポケットに入っているときでも自動的に機能するとのことだ。
T-Mobileとの提携を発表した直後、SpaceXのイーロン・マスクCEOはアップルと「有望な会話」を交わしたと述べていた。今回の報道についても、肯定する投稿をポストしている。
またBloombergは、SpaceXが世界中の他のキャリアに拡大することも検討していると報じている。日本のKDDIもスターリンクと提携済みであり、国内でも何らかの動きが今後あるかもしれない。