「ビカムヒューマン」みたい
こめかみに貼って使うAIウェアラブル「Omi」発表。GPT-4oで会話を理解、アドバイスやスケジュール管理など可能
米サンフランシスコのスタートアップ企業Based Hardwareが、ネックレスのように着用するか、医療用テープでこめかみに貼って使えるボタン型AIウェアラブルデバイス「Omi」を発表した。
このデバイスはGPT-4oを通じて常時ユーザーの会話を理解し、「Hey Omi」と話しかけることでOmiのAIアシスタントを起動できる。そして、ユーザーからの音声による質問にコンテキストに沿う形で回答したり、スケジュール管理、ToDoリストの作成などを実行できるという。
Based Hardwareの創業者であるニック・シェフチェンコ氏は、Omiをこめかみに貼り付けてウェイクワードを使わずに「脳インターフェース」として使う方法をCESの場で説明している。
TechCrunchは、シェフチェンコ氏が実際にOmiをこめかみに装着し、目を閉じて「TechCrunch について教えてください」と述べたがすぐに返答は得られなかったと伝えている。しかし、シェフチェンコ氏がさらに目を閉じて何やら念じるそぶりを続けていると、ペアリングしたデバイスにTechCrunchの概要が表示され、Omiデバイスの今後の発売にTechCrunchがどのように関連しているかが示されたとのことだ。
だが、TechCrunchは一連のデモンストレーションでシェフチェンコ氏が「Hey Omi」というウェイクワードを言わなかったとしているが、記者が試用をすることは許可されなかったとして、脳インターフェース動作の信憑性については述べていない。
また、常にユーザーの会話を聴取し理解するAIデバイスに、多くのユーザーはプライバシー管理についての懸念を持つことだろう。シェフチェンコ氏は、その点についても理解しているとし、ユーザーが自分のデータがどこに送られるかを確認でき、またデータをローカルに保存することも可能なオープンソースプラットフォーム上にOmiを構築したと説明した。個のプラットフォームでは、開発者がOmiを使った独自のアプリケーションを構築したり、好みのAIモデルでOmiを使うようにすることもできるという。
AIウェアラブルといえば、これまでにHumane、Friend、Ray-Ban Metaなどが発売され、当初は大きな注目を集めたが、その後はどれも大きな成功を収めたとは言い難い。Omiもやはり面白いデバイスではあるものの、誰もが欲しがるようなものかと言われれば、はっきりと答えるのは難しい。ただ、少なくとも右のこめかみにOmiを貼れば、「ビカムヒューマン」ごっこは楽しめそうだ。
- Source: Omi