底特律:成為人類

中国NetEaseが『デトロイト』『Heavy Rain』のQuantic Dreamを買収。運営の独立性は維持

Image:Quantic Dream

フランスのゲーム制作企業Quantic Dreamが、中国のゲームメーカーNetEaseに買収されたことを明らかにした。

Quantic Dreamといえば、『Detroit: Become Human(デトロイト ビカム ヒューマン)』や『Heavy Rain -心の軋むとき-』、『BEYOND: Two Souls』といった、重厚なテーマに練り込まれたシナリオのゲーム作品を得意とする会社で、現在はAAAタイトル『Star Wars: Eclipse』(発売時期未定)の開発に取り組んでいる。

一方でNetEaseのほうは、メールやニュースサービス、Eコマース、音楽ストリーミングに加えてゲーム開発も手がける中国のIT企業。『荒野行動』『IdentityV 第五人格』といった人気タイトルを手がけるほか、中国国内では『Minecraft』など著名ゲームのパブリッシャーとしても知られている。

Quantic DreamはNetEase傘下になっても運営の独立性は維持すると説明。買収は開発チームの拡大に貢献し「複数のプロジェクトを同時に進める」ことを可能にするためだと述べている。同社は先週、2023年発売を予定する海洋探索ゲーム『Under the Waves』を発表し、『Star Wars: Eclipse』と並行して開発していくことになる。

NetEaseは今回のQuantic Dreamの買収によって、中国の大手IT企業として初めて欧州に100%子会社を持ったことになる。中国では数年前より、子どものゲームプレイ時間を規制するなど、ゲーム市場への締め付けを厳しくしており、NetEaseやTencentなど中国ゲーム企業は、国外に活路を見い出さざるを得ない状況といえる。

NetEase幹部のHu Zhipeng氏は昨年、ゲーム事業における海外からの収益を、当時の10%から50%にまで引き上げたいとCNBCに述べていた。NetEaseは今年、セガで『龍が如く』シリーズを手がけてきた名越稔洋氏の新会社「名越スタジオ」を日本に設立し、7月にはマイクロソフトで『Halo : Infinite』の開発を担ったJerry Hook氏を擁するスタジオ「Jar of Sparks」を米国にも設立したばかりだ。

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