3チップの内部構成はバラバラ

AMD、携帯ゲーミングPC向け最新チップ「Ryzen Z2」シリーズ3種を発表

Image:AMD

AMDはCES 2025にて、携帯ゲーミングPC向け新型チップ「Ryzen Z2」シリーズ3種類を発表した。すべて2025年第1四半期に、何らかの製品に搭載される予定だという。

同社が初代「Ryzen Z1」シリーズを発表したのは、約2年前のことだ。これらはハイエンドの薄型軽量ノートPCに搭載していたチップをベースに、「ASUS ROG Ally」など携帯ゲーミングPC向けに特化(AI関連機能の省略など)したものだった。Ryzen Z2シリーズは、これらの後継チップとなる。

新型チップはすべて「Ryzen Z2」ファミリーとされているが、実際には内部構造が大きく異なり、技術の世代もバラバラである。

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まず「Ryzen Z2 Extreme」は、Z1 ExtremeのCPUとGPUアーキテクチャを共にアップグレードしたものだ。

CPUコアは8つで、高性能Zen 5コアが3つと省電力Zen 5Cコアが5つ。かたやGPUはRDNA 3.5アーキテクチャを採用し、16基のコンピュートユニット(CU)を搭載している。これらは8つのZen 4 CPUコアと12基のRDNA 3 CUを使ったZ1 Extremeと比べて、CPU・GPU性能どちらも上がることだろう。

一方、「Ryzen Z2」はZ1 Extremeと全く同じチップのようだ。最大クロック速度が5.1GHzのZen 4コアを8つ、12基のRDNA 3 CUを搭載しており、ただ名称を変えただけと考えられる。

「Ryzen Z2 Go」は最下層に位置づけられ、CPUコアはZen 3+の4コアのみ、GPUはRDNA 2ベースの12基だ。AMDの「Rembrandt」アーキテクチャをベースとしているようで、2022年発売のRyzen 5 6600Uの簡易版といったところだろう。

それでも、前世代の下位モデルZ1チップのGPUはRDNA 3 CUがわずか4基だったことから、グラフィックは大幅に改善するはずだ。また「Steam Deck」は旧式のZen 2ベースのCPUコアが4つとRDNA 2 CUが8基であり、少なくともそれは上回りそうだ。

おそらく、今後数日~数週間のうちに、これらチップを搭載した携帯ゲーミングPC製品がいくつか発表されるだろう。昨年秋、AMDは「複数のパートナーと協力中」と示唆し、携帯ゲーミングPCのバッテリー持続時間を3倍以上にすることを目指すと述べていた

また、レノボは「Legion Go」の後継機を3つ準備中であり、うち1つはSteamOSを搭載との噂話もあった

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