体温測定はサムスンGalaxy Watch5が先に搭載

「Apple Watch Series 8」発表直前に、アップルが高精度な温度センサー特許を取得

Image:LIGHTITUP/Shutterstock.com

次期「Apple Watch Series 8(仮)」が9月に発表されると予想されるなか、アップルがスマートウォッチへの搭載に適した温度センサーの特許を取得したことが明らかとなった。

米特許商標庁(USPTO)に承認された「電子機器における温度勾配感知」なる特許は、あらゆるデバイスに採用できると示唆しながらも、添付された図面にある製品は明らかにApple Watch(を思わせるスマートウォッチ)だけだ。

この特許は、手短に言えば、温度センサーとプローブ(測定試料に近づける検出器の部品)から構成される温度感知システムだ。プローブの片側は被測定物に、もう片方は温度センサーに繋がれ、両端の電圧差から温度を測定する。

ここで注目すべきは、プロセッサーのような内部パーツの温度を監視できるとする一方で、皮膚などの外部表面の「絶対温度」を測定できると述べていることだ。さらに外部プローブを「スマートウォッチ背面のクリスタル部分」に配置する方法が図示されているほか、「高精度・高精度の絶対温度センサー 」を内蔵できるとまで書かれている。

Image:Apple/USPTO

有名アナリストMing-Chi Kuo氏は、Apple Watch Series 8には体温センサーが搭載される可能性を示しつつ、「アルゴリズムが量産前にアップルの高い要求水準を満たせれば」との但し書きを付けていた。なぜアルゴリズムが重要になるかといえば、皮膚の温度が外部環境に応じてすぐに変化するためだ。

スマートウォッチは皮膚の上にセンサーを置くため、構造的に深部体温が測れない。そのためアルゴリズム、すなわちソフトウェアによる推測で補う必要があるというわけだ。つまり、この方式は「絶対温度センサー」ではない。

またアップルの内部情報に詳しいBloombergのGurman記者も、Apple Watch Series 8の体温測定は「発熱があるかどうかを知らせる程度」だとしていた。これらを総合すると、今年の新製品にこの特許が使われている可能性は低く、数年先を見据えたものと思われる。

アップルのようなIT大手は莫大な数の特許を出願・取得しており、その中で製品化や実用化にこぎ着けるものはごく一部しかない。今回の特許も将来のApple Watchに搭載されるとは限らないが、もしも実現すれば、ふだんから体調の変化にすぐ気づけるようになるのかもしれない。

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