SoIC技術により熱管理と省電力を強化する見通し
アップル、すでに「M5」チップをTSMCに発注?2025年後半に製造開始か
M4シリーズチップを搭載したiPad ProやMacが発売されて間もないが、すでにアップルは台湾TSMCにM5チップ製造を発注したと韓国メディアThe Elecが報じている。
最新報道によると、M5シリーズチップは強化されたArmアーキテクチャを搭載し、TSMCの高度な3nmプロセス技術により製造されるという。より最先端の2nmプロセスを使わない理由は、主にコストを考慮したものだと推測されている。
それでも、M5はTSMCのSoIC(System on Integrated Chip)技術により、M4よりも大幅な進歩を遂げると見られている。従来のSoC(System on Chip)が1つの半導体チップに複数の機能を集約するのに対し、SoICは複数のチップを垂直に積み重ね、集積度と性能を大幅に向上させるものだ。
この3Dチップ積層アプローチは、従来の2D設計と比べて熱管理を強化し、消費電力を低減できる。アップルはCFRP(炭素繊維を熱可塑性樹脂で強化した複合材料)技術を組み合わせた次世代ハイブリッドSoICパッケージに関して、TSMCとの協力を拡大したとのことだ。このパッケージは、7月に小規模な試験生産段階に入ったとも伝えられている。
次期「iPhone 17」シリーズ向けの「A19」や「A19 Pro」チップにもTSMCの新たな3nmプロセス技術「N3P」が使われると噂されており、今回の報道とも一致する。M5チップは3nm技術の改良にSoICが加わることで、性能と電力効率を飛躍的に改善するようだ。
これらM5シリーズチップの生産は早ければ2025年後半に始まり、搭載デバイスは年末または2026年初頭に発売される可能性がある。アップルが独自開発チップにつき「1年に1回」の更新サイクルを維持すると仮定すれば、各製品の発売時期は次の通りとなる可能性が高いだろう。
- iPad Pro:2025年後半~2026年前半
- MacBook Pro:2025年後半
- MacBook Air:2026年前半
- Apple Vision Pro(第2世代):2025年秋~2026年春
M5と思しき未発表チップへの言及は、すでにアップルの公式コードで発見されている。またアップルはM5チップを市販デバイスとクラウドサーバーの両方に採用し、ともにAIパフォーマンスを底上げする計画だと報じるメディアもあった。