一部のAndroidスマホにも影響する可能性
「iPhone SE 4」の発売に影響?米ITC、中国BOEがサムスン特許を侵害との仮裁定
米国際貿易委員会(ITC)は、中国の大手ディスプレイメーカーBOEがサムスンディスプレイの特許を侵害しているとの仮裁定を下した。BOEはアップルの次期廉価スマートフォン「iPhone SE 4」に画面パネルを独占供給すると噂されており、発売時期に影響する可能性が浮上している。
韓国メディアThe Elec報道によると、同時にITCは特許侵害製品の米国への輸入および販売禁止の要求を却下しており、すぐにアップルのサプライチェーン向けパネル提供が打ち切られることはないようだ。
もっとも、サムスンがITCに仮裁定の見直しを要求することが予想されているという。最終決定は来年3月に行われる予定であり、同じ時期に発売とみられるiPhone SE 4に影響を及ぼすこともあり得るだろう。
もしも米国でBOE製パネル搭載の製品が実質的に全面禁止された場合、その影響はかなりの範囲に及ぶ。
iPhoneやGoogle Pixelを含め、ほとんどのハイエンド製品が韓国サムスンやLGディスプレイのパネルを使っている一方、一般的にBOE製パネルは低コストのため、ミドルレンジやローエンドのスマートフォンに搭載されることは珍しくない。今年初めにも、BOEはHPやASUSなどハイテク大手との提携を発表していた。
米国の政府機関がBOEを標的にしたのは、今回が初めてではない。数か月前にも、米下院で中国特別委のジョン・ムーレナー委員長が国防省に、中国政府が助成するBOEのようなディスプレイメーカーが米国にとって安全保障上のリスクだと主張する書簡を送っていた。
特許業界に詳しい関係者は、「ITCは米国の業界や市場への影響も考慮している」と語っている。BOEパネルの輸入・販売禁止はまさに「米国の業界や市場」を直撃するため、iPhone SE 4への影響も最小限に留まりそうだが、今後の展開を注視したいところだ。