アップルもサムスンも損をしてなさそう

iPhone SE4、“低価格の可能性”が高まる。有機ELパネルを中国BOEが独占供給か

Image:Wachiwit/Shutterstock.com

アップルがiPhone廉価モデルの後継機、通称「iPhone SE4」を準備中であり、これまでの液晶に替えて有機ELディスプレイを採用することも有力視されている。そのデザインはTouch ID内蔵ホームボタンも廃止してFace ID(顔認証)へと移行することで、「ほぼiPhone 14標準モデル」になる可能性が高い

ますます注目が集まるiPhone SE4につき、サムスン・ディスプレイが有機ELパネルの製造を辞退したとZdnet Koreaが報じている。

サムスンが参入を断念した、最も大きな理由は「価格」だという。同社は1枚当たり30ドルを提示したが、アップル側はそれより安い25ドルを提示。そこから歩み寄りができなかったようだ。

その結果、中国の大手ディスプレイメーカーBOEが単独で受注する可能性が高いという。同社は当初、サムスンより高い35~40ドルを提示したとのことだが、大幅に割引きしたのかもしれない。以前、同社はアップルに積極的に売り込みながらも、品質基準を満たせなかったため、iPhone SE4の発売も延期されたとの報道もあった

台湾メディアITHomeはZDNET Koreaの記事を引用しつつ、サムスンがiPhone SE4へのパネル供給にほとんど興味を示さなかったこと、かたやアップル側もiPhoneサプライチェーンのサムスンへの依存度を下げたいとの思惑があると報じている。

つまりサムスンとしては利幅の薄い取引をしたくない、アップルはサムスンに有機EL供給の主導権を握られたくないという意志を貫いた結果であり、ともに損はないということだろう。いずれにせよ、フラグシップiPhone向けの(利幅が大きい)有機ELパネルをサムスンが供給する関係に変化はなさそうだ。

これに先立ち、韓国の電子業界誌The Elecは、iPhone SE4向け有機ELパネルのサプライチェーン事情を伝えていた。その趣旨を箇条書きにすると、次の通りだ。

  • サムスン、BOE、Tianma(中国メーカー)の3社が、iPhone SE 4向け有機ELパネルの価格をアップルに提示
  • iPhone SE 4用の有機ELパネルはiPhone 14やiPhone 13と同じになる可能性が高い。どちらもサイズは6.1インチ
  • そのため研究開発に追加投資する必要がなく、パネル価格は大幅に下げやすい
  • サムスンはiPhone 14用の有機ELパネル在庫を流用できる。そのためアップルに提示した価格も中国の2社より安い

これらの噂話を総合すると「iPhone SE4はiPhone 13/14と同じパネルを採用。そのためコストダウンしやすいが、アップルの値下げ圧力はそれ以上だった」といったところだろう。

過去のiPhoneと同じ画面パネルであれば、サムスンほどの先進的な製造技術は必要ないはず。アップルもそれを見越しつつ、独占供給と引き換えにBOEにサムスン以上の値下げを迫った……とも推測できる。

諸々の噂話が本当であれば、iPhone SE4は「ほぼiPhone 14」(ただし背面カメラはデュアルではなくシングル)ながらも低価格が期待できる。いずれのメディアも2025年発売と予想しており、さらなる続報を待ちたいところだ。

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