プラットフォームへのアクセス数はThreadsを超えたとの情報も
人気急上昇のBluesky、ユーザー投稿コンテンツを「AI学習に使わない」と宣言
Twitter風分散型SNSのBlueskyは、このところ毎日数十万~100万人ペースでユーザー数が増加する活況を呈している。そんなさなか、公式アカウントは生成AIツールを訓練するためにユーザーのコンテンツを利用することは考えていないと述べている。
Blueskyは、Xが生成AIツールを訓練するためにユーザーのテキストやその他の情報を分析する方法を明記した新しい利用規約を施行したその日にこの声明を自らのプラットフォームに投稿した。
Blueskyは、コンテンツのモデレーションにおいてAIを使用していると述べている。それはユーザーからの「投稿をトリアージし、有害なコンテンツから人間のモデレーターを保護」するのに役立てるためとのことだ。ほかには、Discoverフィードに投稿を選別して表示するアルゴリズムにもAIが使われているという。ただ、「これらはいずれも、ユーザーのコンテンツを用いて訓練された生成AIシステムではない」ことをBlueskyは強調した。
その上で、ユーザーコンテンツをAIの学習用に使用されるのではとの懸念に関しては「多くのアーティストやクリエイターがBlueskyを拠点としています。そして、他のプラットフォームが彼らのデータをAIの強化学習に使用することに関する懸念も良く耳にしています。私たちは皆様のコンテンツを生成AIのトレーニングに使用することはなく、またそのようなことをする考えもありません」と述べている。
ただし、Blueskyのコンテンツは外部から閲覧可能で、GoogleやOpenAIなどのクローラー(自動でウェブを巡回するロボットプログラム)を排除していないため、他の企業がBlueskyユーザーの投稿したコンテンツをAIの学習素材として使用する可能性はゼロではない。
この点に関してBlueskyの広報担当であるEmily Liu氏は「Blueskyは、インターネット上の多くのウェブサイトと同様に、オープンでパブリックなソーシャルネットワークです」としつつ「robots.txtファイルが必ずしも外部企業のクロールを防ぐとは限らないのと同じです。とはいえ、よその企業がユーザーの同意を尊重するよう、私たちは自分たちの役割を果たしたいと考えており、そのために何ができるかに関してチーム内で積極的に議論を重ねています」とThe Vergeに述べた。
Xがブロック機能の取り扱いを変更したことや、サードパーティAI企業に対しユーザー投稿コンテンツのAI学習への使用を許可するといった変更を行ったことなどをきっかけに、かつてTwitterと呼ばれたSNSのユーザーが、他のプラットフォームに新たにアカウントを作る動きが活発化している(ただ、多くのユーザーはXアカウントを削除せずに残していると思われる)。
先週は、特にBlueskyのユーザーが1週間で100万人以上も増加し、11月17日には総ユーザー数が1800万人を突破したことがアナウンスされたが、InstagramのTwitter風SNSであるThreadsも、やはり大幅に新規ユーザーを迎え入れている。Instagram責任者のアダム・モセリ氏は11月15日に、11月だけで1500万人以上がThreadsに新規登録し、ここ3か月は毎日100万人ペースで増加していると述べた。
ただし、Insatgram、Threads、Facebookなどの親会社Metaは最近、2007年以降、ユーザーが同社のプラットフォームに投稿したコンテンツ内容のほぼすべてを、自社のAIに学習させていることを明らかにしている(EU圏内やブラジルなどいくつかの国では法的規制によりオプトアウトの選択肢があるが他にはない)。
NBC Newsは、Xからのユーザー流出は主にBlueskyに向かっているとし、ソーシャルメディアの分析をするSimilarWebの集計ではBlueskyへのアクセス数が10月半ば以降、Threadsを上回っていることを伝えている(モバイルアプリからのアクセスは集計に含まれていない)。