これまではチップ設計も製造も by サムスン

Google PixelのTensorチップ、今後はTSMC製造に?消費電力や発熱の大幅改善に期待

Image:Deutschlandreform/Shutterstock.com

Googleから今後登場予定のスマートフォン「Pixel 10」や「Pixel 11」に搭載されるTensorチップが、ついにアップルのAシリーズチップと同じくTSMC製造となり、電力効率が大幅に改善する可能性が浮上している。

Pixelスマートフォンの搭載プロセッサーは、「Pixel 6」シリーズ以降から独自のTensorチップへと移行した。が、バッテリー持続時間や発熱に問題があることは繰り返し指摘されてきた。「Pixel 8」シリーズのTensor G3と「Pixel 9」シリーズのTensor G4での改良は目覚ましかったが、それでもクアルコムのSnapdragonチップからは大きく遅れを取っている。

未発表Android製品に詳しいAndroid Authorityは「Googleのチップ部門からの前例のないリーク」により、「Googleの新たなプロセスノードにつき信頼できるドキュメント」を確認したという。

Googleが「Laguna」というコード名のTensor G5を、従来の「設計も製造もサムスン(Tensor G4まではサムスン製Exynosベース)」から、完全自社設計としつつTSMC製造に移行することは、これまでも伝えられてきた。一般的にサムスンよりもTSMCのチップ製造技術は優れており、要するに朗報である。

最新記事によると、来年のTensor G5チップはTSMCの3nm N3Eプロセスにより製造されるという。これは「iPhone 16 Pro」のA18 ProやM4チップに使われているものと同じ技術であり、Tensor G4に採用されたサムスンの4nmプロセス「4LPE」から飛躍的なアップグレードとなる。主に電力の効率性、つまり消費電力の低減(バッテリー持ちの改善)と発熱の低下につながるはずだ。

そして再来年のPixel 11シリーズ向けTensor G6チップ「Malibu」は、アップルがA19チップに使うと噂されるTSMCの次期3nmプロセス「N3P」により製造されるという。ちなみにN3PはN3Eよりも高いパフォーマンスを提供しつつ、同じくクロック速度で5~10%の省電力を実現するとみられている

歴代のTensorチップはベンチマークテストにおいて、SnapdragonやiPhone搭載チップに及んでいない。Googleはそれを認めつつも、ベンチマークアプリが「古典的」で時代に即しておらず、その数値が低くてもユーザー体験を改善するうえで「全く問題ない」と述べていた

もしもTensor G5/G6チップのベンチマーク結果が前世代から跳ね上がった場合、Googleがどのようなコメントをするか興味深いところだ。

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