低消費電力とパフォーマンスをアピール
<IFA>クアルコム、より低価格のWindows向けチップ「Snapdragon X Plus 8-core」発表。45TOPSのAI処理性能
クアルコムは、PC向けのSnapdragon Xシリーズより、新プロセッサー「Snapdragon X Plus 8-core」を発表。搭載PCは本日より、エイサー、ASUS、Dell、HP、レノボ、サムスンから提供されるとしている。
Snapdragon Xシリーズに、より低価格のプロセッサーが登場するかたち。これにより、さらに多くのユーザーが「Copilot+ PC」を入手しやすくなるとアピール。メーカーは700〜900ドルの範囲でCopilot+ PCを提供できるようになるという。
これまでシリーズとしては、最上位の「Snapdragon X Elite」(12コア)および下位モデル「Snapdragon X Plus」(10コア)がラインナップされていた。新たに8コアのモデルが加わることで、より安価なモデルが登場してくるようになる。
ドイツ・ベルリンで9月6日(現地時間)に開幕する世界最大級の家電見本市「IFA」に先がけて行われた発表会では、同社のCEO クリスティアーノ・アモン氏が登壇。「手頃な価格ながらパフォーマンスやバッテリー寿命を犠牲にすることなく、AIにも妥協しない。それがX Plus 8-Coreの真の価値提案だ」とアピールした。
8コアのSnapdragon X Plusでは、上位モデル同様に45TOPSのNPUを搭載し、Copilot+ PCの要件を満たすAI処理能力を確保。GPUには2.1 TFLOPSのQualcomm Adreno GPUを採用し、4K UHD×3までの外部ディスプレイ出力をサポートする。
またCPU性能については、「1000ドルのデバイスを超えるパフォーマンスを持っている」とアモン氏は説明。具体的には、インテルのCore Ultra 7 155Uと比較した場合は、X Plus 8-Coreは同じ電力におけるパフォーマンスが61%高く、それでいて同じパフォーマンスを出すのに155Uは179%多いパワーが必要だという。またAMD Ryzen 7 8840との比較では、パフォーマンスが22%高く、パワーが121%向上したとのこと。
アモン氏は、今回投入することになった経緯について「Copilot+ PCのイノベーションとパフォーマンスを全てのユーザーに提供したいというのが、当初からの考えだった。X Plus 8-Coreは、これに向けた非常に大きな一歩だ」と説明。そのうえで「Copilot+を備えた新しいAI PCでは、ワットあたりのパフォーマンスとバッテリー寿命の利点を全ての人に提供する必要があり、それを使用してもらいたい」とした。
合わせて、10コアのSnapdragon X Plusに対して、シングルコアのブースト周波数を最大4GHzまで引き上げることも発表。このチップを搭載する製品は来年の前半に店頭に並ぶ予定だとしている。
発表会では、ASUSの担当者が登壇し、新プロセッサーを搭載するノートPC2機種「ProArt PZ13」「ASUS Vivobook S15」を発表。またマイクロソフトの担当者も、新しいビジネス向けの「Surface Laptop」および「Surface Pro」を9月10日から出荷することを明かした。
- Source: Qualcomm