Vision Proがあまり売れてないため?

Meta、Vision Pro対抗のハイエンドMRヘッドセット開発中止か

Image:PixieMe/Shutterstock.com

MetaはApple Vision Proに対抗するハイエンドMR(複合現実)ヘッドセットの開発を中止したとニュースメディアThe Informationが報じている。つい最近、コード名「La Jolla」として開発が進んでおり、2027年に発売予定だと伝えられた直後のことだ。

今回の報道によると、先週Metaのマーク・ザッカーバーグCEOが参加した製品レビュー会議の後、開発中止が指示されたとのことだ。本製品はVision Proと同じくマイクロOLEDディスプレイを搭載し、1000ドル未満に抑える予定だったが、コストが高いために不可能だと判断されたという。

当初Metaは、Vision Proが自社のヘッドセット事業を後押しすることを期待すると報じられていた。ハイテク最大手のアップルが参入することで、メタバース市場に「より多くの消費者を惹きつける」ことや、Vision Proが人気を集めればMeta製品がiPhoneに対するAndroidのように関心を集めるとの見通しだったようだ。

が、肝心のVision Proが3500ドルという高価格のもと、顧客や開発者の関心をつかむことに苦戦しており、発売から1年を待たずにブームは冷めつつある。また、その半額以下であるQuest Proも売れ行き不振で、部品がなくなりしだい製造を中止するとの報道もあった

このニュースに反応するように、MetaのCEOであるAndrew Bosworth氏はThreadsに投稿。「我々は常に多くのプロトタイプを開発している。しかし、その全てを製品化するわけではない」「あるものは前に進め、あるものは見送る。こうした決定はしょっちゅうあり、1つ1つに関する雑談に基づく話は、決して真の姿を伝えるものではない」として、大したことではないと示唆している。

一方で、MetaはMRヘッドセット市場を諦めてはいないようだ。その試みの1つはQuest 3をベースにした廉価モデルであり、コード名「Ventura」だと噂されている。またQuestストア公式ページに「Quest 3s」という未知の製品名も見つかり、Bloombergはコントローラーを別売りにして300~400ドル(Quest 3は500ドル)になる可能性があると報じていた

かたやアップルも、第2世代Vision Proの開発は棚上げして、廉価モデルを早ければ2025年に発売すると見られている。今後は各社ともハイエンドMRヘッドセットの投入は見送り、廉価モデルにより市場のすそ野を広げようとするのかもしれない。

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