やはり主戦場は廉価モデルになりそう

今年登場「Meta Quest 3」は厚さ半分で性能2倍、MRにも対応?

Image:Boumen Japet/Shutterstock.com

Metaが最新のAR/VRハードウェア製品のロードマップを従業員に公開し、次期VRヘッドセット「Quest 3」のさらなる詳細や、ARメガネの展望を明かしたと報じられている。

Quest 3は今年(2023年)後半に発売され、現行モデルの2倍薄く、少なくとも2倍の性能を持ち、価格は400ドルより少し高くなるとのこと。さらに上位モデル「Quest Pro」と同様に、前面カメラで現実世界を取り込み、複合現実(MR)体験を実現することだという。そしてQuest 3にとっての最大の課題は、Quest 2よりも少し高い価格を支払うようユーザーを納得させることで、その手がかりがパワーや新機能だというわけだ。

大きなセールスポイントとされるMR体験としては、ヘッドセットを着けたまま現実世界をナビゲートする「スマートガーディアン」が登場。「家の中を楽々と歩くことができ、視界は完璧だ。デスクトップにアンカーを置いたり、いろいろなものを置ける。コーヒーも飲める。もっと長くそこ(MR体験)の中に居続けられる」とのことだ。

このQuest 3は、新たなMR体験を含めた41の専用アプリとゲームも準備中だという。その後、2024年には「より買いやすい」ヘッドセット(コード名「Ventura」)を発売予定で、その目的は「VRコンシューマー市場で最も魅力的な価格帯で最大のパンチを詰め込むこと」だそうである。

かたやAR方面では、2027年までに数多くのデバイスを計画しているという。まず今年秋には、スマートグラス「Ray-Ban Stories」の後継モデルをリリース予定。さらに2025年には、第3世代スマートグラスを投入。これは受信したテキストメッセージを見たり、QRコードをスキャンしたり、外国語をリアルタイム翻訳できる「ビューファインダー」なるディスプレイを搭載する予定とのことだ。この第3世代製品には「ニューラル・インターフェイス」と呼ばれるバンドも付属し、最終的には仮想キーボードを使った文字入力も目指しているという。

そして2027年に来る本命が、8年前から社内で開発しているARメガネ「Orion」(コード名)だ。より技術的に高度かつ高価で、現実世界に高品質のホログラムとしてアバターを投影できるという。本製品は2024年に従業員がテストする「社内発表会」が行われ、その3年後までは公開されない予定とされている。

Image:Meta

最近は大手ハイテク企業のAR/VRデバイス参入が予想されており、その1つがアップルだ。同社は初代AR/VRヘッドセットを6月のWWDC(世界開発者会議)か、秋の「iPhone 15」シリーズと同時に発表すると見られている。だが、初代製品は2枚の4Kディスプレイを搭載しつつ「空中タイピング」もできるリッチな仕様となるため、3,000ドル前後になるとの説が有力。それでは普及が望みにくいため「iPhoneくらいの価格」の廉価モデルも準備中だと噂されており、今後AR/VRの主戦場はそちらになりそうだ。

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