海賊版やストレージ消耗防止が足を引っ張る?

Switch後継機、性能はSteam Deckと同等か。ソフトウェア制限が重荷の可能性

Image:Juan Ci/Shutterstock.com

Nintendo Switch後継機種、通称「スイッチ2」は携帯ゲーミングPCの「Steam Deck」と総合力で同等になると予想されている。単純なプロセッサーの処理能力は劣るが、超解像技術やレイトレーシングなど新規の技術が補う見通しだ。

しかし、ソフトウェアの制限がシステムのパフォーマンスに大きく影響する可能性があるとゲーム開発者が分析を述べている。

インディーゲームスタジオAlderon GamesのMatthew Cassells氏は、YouTubeチャンネル「Moore’s Law is Dead Broken Silicon」のポッドキャスト番組で、スイッチ2に関して興味深い見解を示した。

そのスペックは、Steam Deckとほぼ同等のパフォーマンスを発揮できるはずだが、スイッチ2のCPUはシングルコア性能が弱いため、特定の条件下では足を引っ張る可能性があるという。

最近こそマルチスレッド対応のタイトルは増えているが、数年前のゲームでは一定のコア数を超えると逆にパフォーマンスが低下するものもあり、単純にシングルコア性能が反映されていた。要はゲームの設計により、スイッチ2には不利な場合もあるということだ。

また一般的にゲーム専用機にはセキュリティ・プロセッサーや暗号化がシステムに組み込まれており、最適な動作に制限をもたらす。現行のNintendo Switchもハッキングされ、海賊版ゲームが動くフラッシュカートが出回っていたことを考えると、スイッチ2ではさらに強化されていてもおかしくはない。

ほか、これまでにない制限が追加されている可能性があるという。たとえば現行のスイッチでは(本体内蔵の)フラッシュストレージの消耗を防ぐため、あまり多くのデータを書き込めないが、これが特定のゲームにとって大きな制限になっているという。またパッチ(アップデート)サイズの制限も厳しいとのことで、スイッチ2にも同じような仕様が引き継がれるかもしれないわけだ。

またスイッチ2の内蔵RAMは、12GBになると見られている。現行スイッチの4GBと比べれば3倍だが、Steam Deckの16GBよりは少ない。それでも高解像度を目指さなければ問題は生じないだろうが、レイトレーシングや高度なUnreal Engine 5を使った複雑なゲームでは、一部は超低解像度からアップスケーリングが必要になり、画質がぼやける可能性があるという。

なお現行スイッチのRAMが4GBに増えたのも、カプコンがREエンジンを動かすために任天堂に要請したおかげだという証言がある。それからREエンジンを使った『モンスターハンターライズ』が発売されるまで4年掛かったというオチ付きである。

いずれにせよ、現行スイッチのユーザーにとっては、表現力が大きく向上することは疑いがない。任天堂がいつスイッチ2の製品名や仕様を正式発表するか、発売時期はどうなるのか、引き続き注視したい。

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