Googleが炎上した直後だけに慎重

OpenAI、検索エンジン「SearchGPT」プロトタイプ発表。ただし利用はキャンセル待ち

Image:OpenAI

OpenAIは、AI搭載検索エンジン「SearchGPT」のプロトタイプを発表した。かねてから噂されており、5月の「Google I/O」直前に発表をぶつけるとの噂もあったが、当日は何も起こらずに終わっていた。

このSearchGPTは、ChatGPTにウェブからリアルタイムに情報を与えるというものだ。それにより「迅速かつタイムリーな回答」と「明確で関連性の高い情報源」を提供できるとうたっている。

ユーザーの質問やクエリに対して、まずSearchGPTは回答を出し、1つ以上の情報元リンクを提示する。それらは左横のリンクボタンをクリックした時に初めて表示され、基本的にはChatGPTの会話型インターフェースを踏襲している。マイクロソフトやGoogleのAI搭載検索エンジンが回答と同列でリンクを表示するのに対して、独自色を打ち出しているようだ。

これらリンクから情報元の外部メディア記事を参照することも、コンテキストを維持したまま追加の質問をすることもできる。

またOpenAIは明確な情報ソースを提供するとともに、ユーザーと情報元のパブリッシャーを結びつけるよう「設計」していると強調している。回答には明確な名前付き(ReutersやWikipedia等)埋め込みリンクがあるため、検索者は情報の出所を把握でき、サイドバーでその他の関連リンクも素早く参照できるという具合だ。

この配慮は生成AIの訓練・参照元データにつき、新聞社や出版社からただ乗りしているとの批判やトラブルが相次ぎ、訴訟にまで発展している状況を受けてのことだろう。今回の発表でも、OpenAIは「パブリッシャーと提携してこのエクスペリエンスを構築」や「パブリッシャーがSearchGPTでの表示方法を管理する方法も提供」と述べ、著作権元との協力関係を強調している。

記事執筆時点では、SearchGPTは少人数のユーザーとパブリッシャーのみに公開中だ。利用を希望する人はウェイトリストに登録し、キャンセル待ちすることになる。

こうした慎重な姿勢は、Googleが検索エンジンにAIを性急に導入したところ、否定的なフィードバックが返ってきていることを受けてのものだろう。鳴り物入りで始まったAI要約は、珍回答が相次いでるとの騒ぎが起こってから、表示頻度が大幅に制限されているとの推測もあった

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