高額モデルでも市場を絞れば早期販売が容易に?

タテ折り式のiPhoneは2026年に発売?中国市場での苦戦のため前倒しか

Image:Marynchenko Oleksandr/Shutterstock

アップルが折りたたみiPhoneを開発中との噂は、数年越しに囁かれてきたことだ。それを裏付ける同社の特許申請もいくつかあったが、新たにタテ折り型モデルを2026年に投入するとのサプライチェーン情報が届けられている。

台湾の電子業界情報誌DigiTimesは、韓国メディアのHankookiとET Newsを情報源として、初の折りたたみiPhoneが2026年に発売されるとの予想を伝えている。韓国はアップルに有機ELパネルを供給するサムスンの拠点であり、特にET Newsは最新のiPad ProにタンデムOLEDが搭載されることを数年前から正確に報じていた

今回の記事は「アップルに近い情報筋」からの証言として、次のような情報を伝えている。

  • 2024年から「トップダウン式の折りたたみ式スマートフォン」の研究開発を進めている
  • 展開した状態では、既存のiPhoneと同じぐらいのサイズになる
  • アップルはサムスンディスプレイとパネル供給契約を結んだ
  • 同社の新製品開発サイクルが通常2年であることから、2026年の発売が予測

つまり準備中の折りたたみiPhoneはタテ折り型、展開すれば6.1インチ~6.7インチということで、サムスンのGalaxy Z Flipシリーズに近いようだ。これは先行したリーク情報とも符合しており、たとえばThe Informationもタテ折りで「2つの実動するプロトタイプが実在している」と報じていた

またアップルとサムスンが「折りたたみ式デバイスの開発」につき合意に達したとは、5月にDigiTimesが伝えていたことだ。サムスンがiPhoneやiPadに有機ELパネルを供給してきた経緯もあり、、数年前にもアップルに「大量の」折りたたみ画面のサンプルを提供したとの噂もあった

アップルは複数のカテゴリーで折りたたみ製品の準備を進めながらも、iPhoneは後回しになると見られていた。先に折りたたみMacBookやiPadを投入し、市場の反応を確認してから折りたたみiPhoneを検討するという具合だ

が、今回の報道はiPhoneが最優先される可能性があると主張している。その理由は、中国のスマートフォン市場で起きた課題のため、すなわち折りたたみスマートフォンが普及している中でiPhone販売が苦戦しているからだ。

アップルが折りたたみiPhoneに及び腰になる理由は、まず高価になりすぎること、そして技術的トラブルが起きた場合にブランドに傷が付きかねないことだと、著名アナリストも指摘していた

が、中国市場だけに絞り込むのであれば、リスクも最小限に抑えやすいだろう。サムスンもGalaxy Z Fold6の高級・薄型モデル「Galaxy Z Fold6 Ultra」(ないしSlim)を韓国・中国限定で発売するとの噂もある。

折りたたみiPhone発売が2027年以降になる見通しは、複数のアナリストや情報源が伝えてきたことだ。が、中国市場でのiPhoneの苦戦が続けば、意外に早く実現するのかもしれない。

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