先に折りたたみiPad、早くても2年後?

アップル、縦折りiPhoneを2つ開発中? 折りたたみiPad miniも進行中か

Image:Lukmanazis/Shutterstock.com

アップルが折りたたみデバイスを開発中との噂は、何度となく報じられてきた。その始まりは2020年、サムスンが同社から要請を受けて「折りたたみ式ディスプレイ」のサンプルを送ったとの報道にまで遡る

それから一向に製品が登場していないなか、今なおアップルはタテ折りモデルを開発しており、少なくとも2つの稼働するプロトタイプが実在しているとThe Informationが報じている。

同誌によると、アップルは2018年から折りたたみ可能なiPhoneを模索しており、「クラムシェルのように折りたたむモデル」を開発しているという。サムスンのGalaxy Z Flipシリーズのように、縦に折りたためる機構のようだ。

The Informationは有料ニュースメディアであり、独自の情報源を持つことで知られる。アップルの未発表製品に関するリークにも数々の実績があり、Apple Vision Proが「アップル純正ヘッドセット」と呼ばれていた頃から開発状況を詳細に報じ、正確な製品像を伝えていた

この折りたたみiPhoneは開発初期段階とされており、発売はかなり先のことと見られている。より大きなフォームファクターの折りたたみiPadも並行して開発しているものの、折りたたみiPhoneのプロジェクトの方が困難に直面しているという。

最近アップルは、2種類の異なるサイズの折りたたみiPhoneのため、アジアのメーカーと部品の発注につき協議したとのこと。つまり、パーツの調達を検討する段階にまで本格化しているということだ。

それでも、最終製品が同社のデザイン基準を満たせない場合、プロジェクトは中止される可能性があるとThe Informationは但し書きしている。

今回の報告によると、アップルのインダストリアルデザイン・チームは、現行iPhoneの半分の薄さにしたいと考えているという。折りたたんだとき、厚くなりすぎないようにするためだ。

実際、(おそらくアップルに折りたたみパネルを供給する)サムスンのGalaxy Z Flip5は開いた状態では6.9mmの薄さだが、折りたたむと15.1mmとなる。iPhone 15 Pro Maxの8.25mmと比べても分厚く、アップル製品としては許容しがたいのかもしれない。

このデザインチームは、デバイスを閉じたときに使えるよう、外側向け画面の追加も検討したという(いわゆるカバーディスプレイのことだろう)。だが、バッテリーやディスプレイ用パーツといった現実的な問題により、これらの高い目標を達成することは困難だったそうだ。

さらに興味深いのは、アップルが2020年頃に折りたたみ式iPhoneのプロジェクトを一度は保留し、代わりにiPad miniサイズの内側に折りたたむiPadに注力したとの証言だ。

このデバイスは約8インチのディスプレイを備えるとされており、数日前の韓国メディアThe Elecによる「7インチ後半~8インチ前半の折りたたみデバイスを、2026~2027年に発売を検討」との報道とも符合している。

The Informationの情報筋は、折りたたみ式のiPadであれば、スマートフォンほど耐久性の要件が厳しくないという。また、ポケットへの収納を想定していないため、ある程度の厚みも許容されるようだ。

さらにアップルは、ディスプレイ中央の折り目を減らす方法を研究しているとのこと。それと共に画面を完全にフラットにし、Apple Pencilの動きを阻害するような小さな段差やくぼみをなくすべく、新型ヒンジの設計を試みているとも報じている。

アップルがこれらの問題を解決できたかどうか不明だが、少なくとも「iPhone 16」や「iPhone 17」世代では折りたたみiPhoneが出ることは望み薄のようだ。折りたたみiPadの方が先行しそうではあるが、そちらも上記のThe Elec報道が正しければ、あと2年は待つことになる。

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