現時点では時計サイズで血糖値測定は無理のはず

サムスン「Galaxy Watch7」、血糖値上昇や老化につながる「AGEs」測定機能を搭載か

Image:Framesira/Shutterstock.com

サムスンは将来のウェアラブル機器に血糖値モニターを実装することを目指していると、たびたび仄めかしてきた。次期スマートウォッチ「Galaxy Watch7」シリーズで実現する可能性があるとも噂されてきたが、アップルも時計どころかiPhoneサイズに収めることに苦戦しているとみられており、サムスンがどう解決するのか疑問の声も上がっていた。

そんななか、サムスンのAndroid向け健康管理アプリ「Samsung Health」を深掘りした結果、糖尿病の予防に繋がるAGEs(終末糖化産物)を測定できる手がかりが見つかったと報じられている。

AGEsとは、食事などで過剰に摂取した糖とタンパク質が結合したものだ。この物質は老化が進むことでも生成され、蓄積すると糖尿病や動脈硬化、心疾患や脳卒中などの危険が高まる。つまり、間接的に血糖値レベルの上昇を示す目安である。

Androidデバイスに詳しいAndroid Authorityは、Samsung Healthアプリ内からAGEs測定のユーザーインターフェースを発見した。そこには「Galaxy WatchはAGEsを測定できる」との説明があるが、どのモデルが対応しているかは明らかにしていない。

Image:Android Authority

また、これがGalaxy Watch7や上位モデル「Galaxy Watch Ultra」に噂される血糖値モニタリング機能と同じものか、あるいは別のものはか不明だ。とはいえ、ハイテク大手が巨額の投資をしながらも、血糖値センサーの小型化が遅れていることを考えると妥当な着地点だろう。

本機能の説明には「代謝の健康状態を知ることができ、生物学的老化プロセス全体を反映する」とある。要は糖尿病や動脈硬化など、老化にまつわる健康リスクの高まりをだいたい把握できるといったところだ。

今年4月、サムスン電子のHon Pak副社長兼デジタル・ヘルスケア部門長はSamsung Healthアプリの諮問委員会メンバーと面会し、デジタルヘルス業界の将来とウェアラブル機器の役割について議論したと報じられていた。その場ではAI技術に焦点を当て、不整脈や高血圧とともに血糖値モニタリングなどを話し合ったという。

血糖値を測定できるハードウェアが製品化の域に達するのは先のことだが、当面は既存のセンサーから得られる指標からAIによりAGEsを推定。それを、自社ブランド「Galaxy AI」の新機能の1つとしてアピールする狙いかもしれない。

サムスンは7月10日夜の「Galaxy Unpacked」イベントにて、Galaxy Watch7とGalaxy Watch Ultraをお披露目する見通しだ。すでに製品デザインや各種スペックは信頼性の高い情報源からリーク済みだが、内蔵ソフトウェアは謎に包まれた部分も多く、正式発表を待ちたいところだ。

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