広告収入で成り立つウェブ媒体には死活問題?

iOS 18のSafariにはバナー広告を消せる「ウェブ消しゴム」とページ要約機能が追加か

Image:Nicole Lienemann/Shutterstock.com

アップルは次期iOS 18とmacOS 15に生成AI機能を導入すると予想されている。そのために、今後の「A18」と「M4」チップでは大幅に強化したNeural Engineを搭載するとの噂話もあった

そうした新機能の一環として、Safariの大きなアップデートを予定していると報じられている。

アップル関連情報サイトAppleInsiderは、事情に詳しい関係者からの話として、同社内では「Safari 18」がiOS 18やmacOS 15の内部ビルドと共に評価中だと伝えている。

そこには、AIによりページの要約を行う「インテリジェント検索」や「ウェブ消しゴム機能」などが備わっているという。最新ビルドでは、Safariのアドレスバーのデザインを変更して「新旧のページコントロールツールを統合」しているとのこと。その中に、AI関連の新機能も含まれるというわけだ。

インテリジェント検索(Intelligent Search)

  • テストビルドではデフォルトで無効。手動で有効にする必要あり
  • アップルのオンデバイスAI技術(特にAjax言語モデル)を活用
  • ウェブページ内のトピックやキーフレーズ(繰り返される単語や文章など)を特定し、ページの要約を生成

要は、ChatGPTやMicrosoft Copilotと同様の処理をオンデバイス、つまり外部のクラウドサーバーと通信せずに行うとも解釈できる。クラウドベースほど複雑な処理はできないが、処理速度やプライバシー保護に強みがあるだろう。

今回のレポートでは、アップルが「今年後半にSafari 18と同時にテキスト要約を提供できるよう努力している」と推測。ただし、正確な実装は「あいまい」とも付け加えており、確信が持てないようだ。

ウェブ消しゴム(Web Eraser)

  • ユーザーがウェブページの特定部分を削除または消去できる
  • 既存のプライバシー保護機能の延長上にある
  • バナー広告や画像、テキスト、ページセクション全体を簡単に消去できる
  • 消去は元のタブやウィンドウを閉じた後でも記憶され、永続する

こうした広告や画像ブロックは、すでにサードパーティ製アプリで実現しているものだが、アップルはiOS 18とmacOS 15の標準機能に取り込もうとしているようだ。

最も注目すべきは、ウェブページに加えた変更は、そのページにアクセスするたび適用されることだ。つまり一度ブロックしてしまえば、ユーザーが広告をいちいちタップし直す必要がないわけだ。

また、過去に消去したコンテンツのあるページにアクセスすると、Safariはユーザーの希望を反映して変更済みだと通知。さらに変更を元に戻し、初期状態に復元するオプションも提供するとのこと。

これまでもアップルはサードパーティ製アプリの機能をiOSに取り込んでおり(スクリーンタイム機能など)Safariに高度な広告ブロック機能を組み込んでも不思議ではないが、これほど強力なものであれば、広告収入で成立しているオンライン媒体には、大きなダメージになる可能性もありそうだ。

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