生成AIでの出遅れをハードとソフトの統合で巻き返す?

次期iPhoneとMac、端末で「生成AI」実現の可能性。Neural Engine大幅強化か

Image:Below the Sky/Shutterstock.com

アップルは次期「iOS 18」にてSiriなどに生成AI技術を導入し、「史上最大級のアップデート」を予定しているといわれる。そんななか、次世代のiPhoneおよびMac向けプロセッサー「A18」と「M4」チップに大幅にコア数を増やして強化したNeural Engine(機械学習に特化したSoCの一部)を搭載すると、台湾メディア経済日報が伝えている。

同誌の業界情報筋によると、アップルはAIの一般的な潮流を視野に入れており、次世代のM4およびA18のAIコンピューティングコア(Neural Engine)とパフォーマンスを大幅に向上させ、全ての製品ラインナップでAIアプリの採用を飛躍的に増やしていくという。

アップグレードしたNeural Engineは、AI/機械学習の性能を改善することだろう。アップルが競合他社に対するおくれを取り戻すべく、生成AIを自社製品のあらゆる面で取り込みを予定していることは、大手メディアBloombergも報じていたことだ。

この事業には年間約10億ドルが投じられ、「スマートなバージョンのSiri」は、早ければ2024年内に完成するとのこと。Apple MusicやPages、Keynoteといった生産性向上アプリでもAIが作業を支援するほか、Xcodeのような開発ツールにも生成AIを組み込むことも検討していると伝えていた。

通常、アップルは将来の事業や開発中の製品は厳重に秘密を守る。だが、ティム・クックCEOは昨年夏に「生成系AIを含む幅広いAI技術の研究を行ってきた」と発言。さらに、今月初めの決算説明会では「今年後半に詳細を発表する」と改めて強調していた。iOS 18は、例年6月に開催される年次開発者会議WWDCにて発表されるはずだ。

上記のA18シリーズチップは、今年秋の「iPhone 16」モデルに搭載が予想されている。iOS 18の生成AI機能はiPhone 16専用になる可能性になるとの噂もあったが、それに耐えうるNeural Engineを持つのが最新モデルだけのためかもしれない。

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