元レッドブルF1のダニール・クビアト選手が登場

元F1レーサーとAIがスーパーフォーミュラでガチンコ対決。今週末、アブダビで自動運転レース開催

Image:A2RL

4月27日、アブダビのヤス・マリーナ・サーキットで自動運転フォーミュラカーによるレースイベント「Abu Dhabi Autonomous Racing League(A2RL)」が開催。賞金額は225万米ドルで、AI制御による8台のマシンがチェッカーフラッグを目指して一斉にスタートする。

本レースには日本レーシングプロモーション(JRP)が協力しており、レース用のマシンとして日本のフォーミュラカーレース「スーパーフォーミュラ」のマシン、ダラーラSF23を供給している。またASPIRE社がこのマシンに搭載される共通の自動運転用AIユニットを提供している。

参加するのは、米国、中国、ドイツ、ハンガリー、シンガポール、UAE、イタリアなどから集まった、主に大学によって結成されたチームだ(一部はインディーズの自動運転レーシング団体)。

Image:A2RL

各チームはまず、レースに向けてマシンを調整し、AIを最適化する。AIユニットに追加する⾃律⾛⾏ソフトウェアとアルゴリズムの開発では、プログラマーのコーディングスキルと、レーシングスピードにおけるマシン制御の知識がカギになるだろう。一方、マシンセットアップは当日の天候や気温、サーキットの路面状態に合わせて前後ウィングの角度調整やサスペンションの調整、タイヤの選択などがエンジニアによって行われる。

レースのフォーマットは詳しく案内されていないが、一般的なモータースポーツと同様にスタート順位を決める予選ののちに、規定の周回数で争う決勝レースを行うことになるはずだ。

またこのイベントでは、もう一つ注目のエキシビジョンがある。それはプロレーサーとAIの対決だ。決勝レースに先駆けて行われるこの催しでは、元レッドブルのF1ドライバー、ダニール・クビアト選手がスーパーフォーミュラSF23に乗り込み、1台のAI自動運転のSF23とその腕前を競う。

すでに行われたテスト走行では、当然と言えば当然だがクビアト選手のほうが遙かに速いタイムを記録していた。しかし、テスト終盤にかけてその差は縮まっていたという。当日までにどこまでAIが差を詰められるかに期待がかかるところだ。

このイベントの様子は、A2RL公式のYouTubeチャンネルmotorsport.tv、A2RLのモバイルアプリで配信を予定する。

なお、A2RLは将来的に、自動運転フォーミュラカーのレースに加え、ドローンや砂漠用バギーなどを用いた自動運転レースなどを開催していくことも計画しているという。

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