SF映画の悪役ロボットみたい

火炎放射犬型ロボット「Thermonator」約146万円で発売。米国での販売は合法

Image:Throwflame

昨年夏に発表された火炎放射ロボット犬「Thermonator」が、ついに発売された。価格は9420ドル(約146万円)であり、史上初の火を噴く四足歩行ロボットが1万ドルを切ったことが注目を集めている。

本製品は、米オハイオ州の環放射器メーカーThrowFlame社が発売したもの。ガソリンと軽油の混合燃料を使用して30フィート(約9.1m)の火炎を最長45分も放ち続けられ、本体のバッテリー駆動時間は約1時間。Wi-FiとBluetooth接続によるスマートフォンからのリモート操作が可能だ。

またマッピングと障害物を避けるためLIDARセンサーを内蔵し、レーザー照準や搭載カメラによる一人称視点(FPV)ナビゲーションも備えている。

その外観から判断して、中国Unitreeの四足歩行ロボット「Go2」に 自社のARC火炎放射器を背負わせたものと思われる。Go2は1600ドル、ARCは699ドルからだが、統合して運用できるシステムや耐火加工に開発コストを投じているのかもしれない。

同社は本ロボットについて「何でも対応」とうたっている。たとえば山火事の制御と予防、農業管理、生態系の保全や雪や氷の除去、エンターテイメントとSFXといったところだ。

もちろん、そのどれもが「モノに火を点けること」は共通している。キャッチフレーズである「究極の火力コンパニオン」は、同社以外はなかなか使う機会に恵まれない言葉だろう。

PVではスモークがたかれた中で1つ目を青く光らせてレーザー照準を走らせ、辺り一面に火を降り注いでいる。その姿は悪役ロボットのようでもある。

米国48州のほとんどで、火炎放射器は特に規制されていない。メリーランド州では所有に銃器ライセンスが義務づけられ、カリフォルニア州では射程距離が10フィートを超えてはならない制限があるが、燃料が入っていない限りはどの州で販売しても合法である。

かつてイーロン・マスク氏のトンネル掘削会社ボーリング・カンパニーは突如として火炎放射器の販売を始め、わずか4日間で2万台、1000万ドルを売り上げていた。ちょうど山火事シーズンが終わった直後だけに批判を集めていたが、人は “炎上” に魅せられる生き物かもしれない。

関連キーワード: