サムスン製モデムもしだいに改善

Google「Pixel 9」や「Pixel Fold2」は新型モデム搭載、衛星緊急SOSにも対応か

Image:Andrey Suslov/Shutterstock.com

Googleの次期スマートフォン「Pixel 9」シリーズや次世代折りたたみ機「Pixel Fold2」、それに5G対応のPixel Tabletには新たなモデムが搭載され、近年のiPhoneのように衛星通信が可能になるとの噂が報じられている。

同社は「Pixel 6」以降、クアルコム製のSnapdragonプロセッサーと実績あるモデムから、サムスンのExynosチップをベースとしたTensorプロセッサーとモデムに移行している。そうして「全てサムスン製」に切り替えた直後は、携帯回線に繋がりにくく、他のセンサーも道連れにクラッシュしたとの報告も少なからずあった。

「Pixel 7」シリーズでは新たなモデム「Exynos Modem 5300」を搭載し、続く「Pixel 8」シリーズでもマイナーチェンジ版を採用。以前よりは安定性が改善したものの、地域によっては電波をつかみにくく、電力効率も低い。

しかし、未発表Android製品に詳しいAndroid Authorityによると、次期Pixel 9シリーズ(「Pixel 9」、「Pixel 9 Pro」、「Pixel 9 Pro XL」の3機種構成になると噂される)には、新型モデム「Exynos Modem 5400」が搭載されるという。次期SoC「Tensor G4」に組み込まれる形だ。

このモデムはPixel Fold2や5G接続のPixel Tabletなど、すべてのセルラー対応Tensor G4デバイスに搭載される見通しとのこと。現在のPixel Tabletにはセルラー接続機能はないが、モデムを搭載した5Gタブレット、コード名「clementine」が開発の初期段階にあると伝えられている。

この「clementine」という名前は、数か月前にAndroid 14 QPR3ベータ版から発見されたものと一致している。そもそもPixel Tabletは家庭内に置かれたドックとの連携を前提としており、外出先で使う印象が薄いが、どのような製品になるか興味深いところだ。

新たな5Gモデムに話を戻すと、「3GPP Rel.17 5G」に対応するとのこと。この仕様は5G NTN(非地上系ネットワーク)、つまり衛星ベース通信をサポートしている。

このハードウェア更新と並行して、衛星通信対応の次期Pixelデバイスは専用アプリ「Satellite Gateway」により、緊急SOSが可能になるという。まずユーザーが状況を絞り込むために基本的な質問をいくつかされ、緊急連絡先に通知するかどうかを選び、緊急サービスにメッセージを送信できるそうだ。

ここで紹介されている質問の例は、ざっと次の通りだ。

  • 何が起きたのか?
  • あなたは/彼らは息があるか?
  • 合計で何人が [行方不明になって/閉じ込められて] いるのか
  • あなたの状況を最もよく表しているものは何か
  • 何が燃えているか?
  • 武器は関係しているのか?
  • 車両や船舶の種類は何か?

ほか「衛星に接続するには、携帯電話を広げ、反時計回りに%度回転させます」とのメッセージもあり、衛星との位置合わせや、折りたたみ端末では広げる必要があることも示唆している。

つい先月も、Android 15最新ベータから衛星通信サポートの手がかりが見つかったばかりだ。アップルはiPhone 14以降に衛星緊急SOSサービスを提供し、今なお無料期間が続いているが、Googleも無料提供するのか気になるところだ。

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