卓上を走り回りビデオ通話中に頷いたり

アップル、自社EVの次は家庭用ロボット開発を模索中?

Image:Amazon

アップルが自社ブランドEV、通称「アップルカー」を開発中止したと報じられてから約1か月が経過した。今度は「次なる大物」を産み出すべく、様々な家庭用ロボット開発を模索していると伝えられている。

同社の内情に詳しいBloombergのMark Gurman記者によれば、その1つは「ユーザーの家の周りを追尾する」モバイルロボット。もう1つは「ロボット技術によりディスプレイを移動させる高度な卓上ホーム製品」だという。

それと並行して、屋内で働く人工知能の研究も進めているようだ。すなわち、ロボットが「家の中の散らかった空間をナビゲートする」のを助けるAIアルゴリズムも研究中とのこと。さらには「シンクで皿洗い」など家事をこなせるロボットも思い描いているものの「非常に難しい工学的な課題」をクリアする必要があるため、10年先でも実現は望めないようだ。

このロボット開発は、もともと自動車プロジェクト「Titan」に端を発するという。指揮を執ったDoug Field氏(現在は米自動車大手フォードのEV担当トップ)が去った後、事業はホームデバイスグループへと移管。元アップルカー開発部隊の少なくとも1つのハードウェアチームはそちらに転属し、自動車用OSも理論的にはロボット向けに調整できるとのことだ。

アップルの家庭用ロボットは、警備や見守り機能を備えたアマゾンのAstro(日本未発売)等と競合する可能性がある。長らく同社はスマートホーム市場の開拓に力を注いでおり、家庭用ロボット市場も視野に入れるのも自然だろう。

卓上ロボット製品については、ディスプレイがFaceTimeビデオ通話中に「人の頭の動きをマネさせる(頷くなど)」や「大勢の中の1人を正確にロックオンする」アイデアもあるという。

しかし、ネックの1つは消費者がそうした製品に対して高額を支払うかどうか、ということ。また、「小さなスタンド上でロボットモーターの重さのバランスを取る」技術的な課題もあり。最大の課題は、アップル幹部らが製品開発を進めるか否かをめぐり意見が割れていることだという。

これら取り組みはまだ初期段階にあり、最終的に製品が出るかどうか不明とのこと。アップル製ロボットは日の目を見なくとも、そこで培われた技術がスマートフォンやタブレット、スマートスピーカーに活用されるのかもしれない。

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