モバイル版FortniteがEUだけで復活

Epic Games、iOS/Android向けゲームストアを2024年後半に立ち上げ。EU域内のみ

Image:Epic Games

Epic Gamesは、2024年後半に欧州連合(EU)域内でiOSとAndroid向けゲームストアを立ち上げると予告するとともに、ストアで配信されるアプリへの課金額を明らかにした。

今年2月、同社はiOS向けゲームストアを立ち上げると予告。今月初めにアップルが同社の開発者アカウントを停止する一幕もあったが、欧州委員会が介入の構えを見せた結果、アカウントは復活している

Epic Gamesは世界最大級のゲーム開発者向けカンファレンスGDCで行った講演「State of Unreal」にて、Epic Gamesストア(EGS)に関する今後の展望を発表した。その内容は、ざっと次の通りだ。

  • EGSはゲームに特化した初のマルチプラットフォームストアとなり、Android、iOS、PC、macOS向けに提供
  • モバイルゲーム開発者にはPC向けEGSと同じ条件が適用される
  • Epicの決済システムを使うゲームについては、Epicが収益の12%を徴収
  • サードパーティの決済プロバイダを使うゲームについては、手数料が発生しない
  • 無料アプリを配信する場合はEpicへの支払はない

ただし、EGSほか代替アプリストア(アップル純正App Store以外のストア)上で配信されるアプリには、別途アップルからコア技術料が課される可能性がある。年間100万インストールを超えた分については、1インストールにつき0.50ユーロ(約80円)が発生。つまり大手ゲームアプリであれば、Epic税+アップル税がのし掛かることになる。

またApp Storeでの配信を続けるアプリ開発者は、新たなビジネス条件を選ぶこともできる。こちらは30%手数料は17%に、1年以上経過した定期購読および「大半の開発者」は15%から10%に引き下げ。アップルのアプリ内課金システムを利用し続ける場合は3%の追加手数料もあり、上記のコア技術料が発生する場合もある。

たとえば年間100万ダウンロード未満のアプリが新条件のもとでApp Storeを通じて配信した場合、手数料はアプリ価格の10%で済むことになり、最終的にはEpicが徴収する12%よりも低くなる。もしも100万回を超えた場合は、前者は17%+コア技術料、後者は12%+コア手数料となり逆転する見通しだ。

いずれにせよ、大手アプリがコア技術料を徴収されることに変わりはない。Epic Gamesのティム・スウィーニーCEOはこれら新たな課金を「悪質なコンプライアンスの新たな例」と強く非難。Epic公式アカウントも「裁判所や規制当局に対し、アップルが法を犯していることを主張し続ける」と表明している。

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