着々と顧客のすそ野を広げるMediatek

クアルコム、スマホ向けチップ売上の40%がサムスン頼りか。過度に依存との指摘も

Image:Akshdeep Kaur Raked/Shutterstock.com

サムスン製スマートフォンは長年にわたってSnapdragonチップを採用しており、これらを供給するクアルコムにとって最大手の顧客だと知られている。先月初めにもクアルコムは、サムスンと複数年契約を結び、将来のGalaxyフラッグシップ機にSnapdragonを供給することを明らかにしていた

では、クアルコムのチップ売上のどれほどをサムスンが占めているのか。それは実に40%に上るとの推計を、市場調査会社のCanalysが公表した。

同社が発表した2023年第4四半期のデータによると、次点はXiaomiの17%だが、両社の間には大きな開きがある。クアルコムはほぼ、サムスン一社に依存しているといっていいだろう。

かたや半導体メーカーとしてクアルコムに競合するMediatek(両社とも工場を持たないファブレス企業)は、サムスンが総売上の22%、Xiaomi向けは17%で、よりバランスが取れている。

つまり、サムスンがスマホ向けチップ採用を見送ったとしても、Mediatekはクアルコムほどダメージを受けないことになる。

つい最近もMediatekは、Google以外ほぼ全てのAndroidスマホメーカーが顧客となり、2024年第1四半期だけでも約15のチップ設計を抱えていると報じられていた。その成果の1つが、Nothing Phone(2a)がDimensity 7200 Proを採用したことだろう。

サムスンは昨年のGalaxy S23シリーズ全モデルにSnapdragonチップを搭載したものの、最新モデルGalaxy S24シリーズの一部には自社製チップExynos 2400を採用。さらに2025年の「Galaxy S25」シリーズでは、Snapdragonチップの採用を辞めてExynosチップに統一するとの噂もある。

Exynos 2400チップは以前のExynos 2200(Galaxy S22シリーズの一部に搭載)よりも大きく改善していたものの、まだSnapdragon 8 Gen 3には及ばない。次期「Snapdragon 8 Gen 4」も、Exynosチップより高性能・省電力となる可能性も高いだろう。

とはいえ、Snapdragon 8 Gen 4は新型CPUコアのOryonを搭載することで「クアルコム史上最も高価なチップ」になるとの見方もある。Galaxy S25シリーズでの採用はゼロにはならなくとも、最上位のUltraモデル(従来はすべてSnapdragon)がExynos採用はあり得るかもしれない。

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