任天堂なりに性能目標はある?

Switch 2、ドック接続時は性能アップ? PS4 Proに匹敵する可能性

Image:Anthony McLaughlin/Shutterstock.com

Nintendo Switchの後継モデル、通称「スイッチ2」の性能が、現世代ゲーム機のPS5やXbox Series X|Sと比べて控えめになるとの予想は、しだいに有力になりつつある。つい最近も未発表のGPU情報に詳しいリーカーのKepler氏が、「Xbox Series Sの性能に及ぶことはあり得ない」と述べていた

それに続き、ドック接続時(十分な電源が供給され、フルパワー状態)の性能は、おそらくPS4 Proの性能に匹敵するとの噂が報じられている。

これはテック系YouTuberチャンネル「Moore’s Law is Dead」が最近の動画で述べていることだ。同チャンネルは先日、スイッチ2に搭載されるNVIDIAの未発表SoC「T239」は、サムスンの8nmプロセスノードで製造されると伝えていた。今回はそれを確認しつつ、おそらく12GBのRAMを搭載する裏付けが取れたと述べている。

これまでの噂話では、おおむねスイッチ2は「任天堂にとって性能は優先事項ではない」との印象があった。

もっとも、スイッチ2は現行の「据え置き機と携帯機」を引き継ぐと見られている。携帯モードでは電源に繋がず、筐体も小型になり熱容量も限られていることから、消費電力や発熱が高まりやすい高性能チップは一概に望ましいとは言えない。

また高性能チップを製造する先端プロセスノード、たとえば3nmや4nmの製造ラインはメーカー同士の奪い合いになりやすく、往々にして製品の供給不足にも繋がる。そうした理由から、任天堂がスイッチ2の性能を抑え、生産量に余裕のある8nmチップを採用するとの想定は、十分に合理的だと考えられるわけだ。

しかし、Moore’s Law is Deadは「任天堂は性能を気にしていない」とは誤解だと語る。任天堂なりにコンソール・サイクル(ゲーム機の世代)で達成したい性能目標があり、それが実現できれば満足するという。

その性能目標とは、Xbox Series Sに迫りつつも、フレームレートは低くなる程度とのこと。具体的には、ドック接続時の性能はPS4 Proと同等になる可能性が高いと述べている。別のテック系リーカーは様々な情報を総合して「ドック接続時はPS4並」と推測していたが、それより高めである。

PS4 Proといえば、すでに7年以上前のハードだ。とはいえ、そのGPU演算性能は4.2TFLOPS(PS4は1.84TFLOPS)であり、現行スイッチの0.5TFLOPSよりはるかに高い。

また興味深いのが、携帯モード時の性能につき、人気の携帯ゲーミングPC「Steam Deck」と比較していることだ。大まかには、CPU性能はSteam Deckより少し落ちつつも、軽いレイトレーシング処理による画質やバッテリーの持ちは上回るというものだ。

すなわち「任天堂がクロック速度と冷却をケチったとしても、Steam DeckのGPUより20~30%ほど速いが、CPUはゲームには少し弱い」「Steam Deckが40fps/720pを実現できるのであれば、スイッチ2は30fps/720pで軽いレイトレーシングができると思う」とのことだ。

要は、素のメインチップ性能だけであればSteam Deckに負けるが、ハードウェア・レイトレーシング等により見かけのグラフィックを底上げできる。しかし、フレームレートは落ちるといったところだ。

さすがに「持ち運べるPS5」とは行かないにせよ、現行のスイッチと比べれば格段の性能アップとなる可能性は高そうだ。こうしたアプローチが噂通りであれば、非常に理に適っていると思われ、今後の携帯ゲーミングPC競合他社のゲームハードにも大きな影響を与えるかもしれない。

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