最高速度は時速48km

【動画】『トロン』風のハブレス電動自転車、数十年落ちのママチャリから製作

Image:Christopher Terpstra/YouTube

DIY系YouTuberのChristopher Terpstra氏が、映画『トロン』に登場するバイクのように未来的な外観を持つ、それでいてレトロなルーツをもつ電動自転車「Blue Steel」の製作動画を公開した。Terpstra氏といえば、以前に紹介した、映画『ワイルド・ワイルド・ウェスト』の蒸気自転車にインスピレーションを得たという電動自転車「Penn-E-Farthing」の製作者だ。

Terpstra氏は今回、1960~1970年代に製造されたと思われるSchwinn製の女性向け自転車、いわゆるママチャリを10ドルで入手したことから、これをベースに新たな電動自転車のコンセプトを吹き込むことにした。

Image:Christopher Terpstra/YouTube

まずはどのような形にしていくかを考えながら話すTerpstra氏は、まずホイールをハブレス仕様に置き換え、モーターとバッテリーによる電動化を基本構想とし、デュアルスイングアームを採用してのフルサスペンション化といったアイデアを次々と出していく。一方で、フレームなどパーツのひとつひとつはできる限り多くを再利用したいとも考えている、と述べた。

まず取りかかるのは車輪部分で、ハブレスホイール化とフルサスペンション化してみて機能するかを確かめることにした。ハブレスホイールは、元のホイールからスポークをすべて取り除き、1インチ径の鋼管をホイール内径に沿うように円形に加工して装着した。

続いてはフレームの製作だが、できる限り多くを再利用したいと言った割には、再利用のために残ったのはヘッドチューブとサドル下の部分だけ。あとはすべて鋼管で自作している。

そして、フレーム各部を溶接。前後ホイールには支持構造を取り付け、そして片持ちスイングアーム式サスペンションをフレームに取り付けた。前輪はハンドルを切ったときに軸が中心になるように調整している。またサドル部分には、子供向けのダート用電動バイク「Razor MX350」のシート部分を前後逆にして移植した。

電動自転車化するにはモーターと駆動機構が必要になる。そこでTerpstra氏はフレーム下と後輪の中間にはモーターと、後輪を駆動するための小さなホイールを装着。フレーム中央下部には、モーターのコントローラーとバッテリーが取り付けられた。

あとは細かい部分を調整して一応の完成と相成ったわけだが、Terpstra氏はいったんすべて分解して、車体部分をシルバーで塗装。バッテリーおよびコントローラー部分には、未来的なイメージを醸し出す青い照明を内蔵した。

「この製作で最も難しかったのは、サスペンションの走行に伴うバンプステアを最小限に抑えるために、フロントスイングアームとステアリングリンケージを構成することだった」とTerpstra氏は述べ、「納得のいくレイアウトになるまで、5回は繰り返したと思う」とした。実際Blue Steelの製作には約400時間がかかり、材料費などのコストも約975ドルにまで膨らんだ。

また、電池とモーターを搭載するためか、自転車の質量は129ポンド(59kg)になった。一方で、最高速度は時速約30マイル(48km)と、電動自転車としては十分すぎる速度を出すことが可能になっている。

Image:Christopher Terpstra/YouTube

試乗する様子を見た限りでは、走行時にモーターか何かが、そこそこ大きな音を発しているのが気になるが、乗り心地は良さそうだ。また、夜間にはモーターとバッテリーを収めたボックスが青く発光するようになっている。とはいえ、夜間走行用のヘッドライトがないのは、少々うっかりだったかもしれない。

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