きっかけは映画『ワイルド・ワイルド・ウェスト』の蒸気自転車

見た目は19世紀風、しかし“ホイールが輪っか”のハブレス電動自転車

Image:Christopher Terpstra

デザイナー、エンジニア、そしてYouTuberの肩書きを持つChristopher Terpstra氏が、19世紀によく見られたレトロな「ペニー・ファージング」自転車に、未来的なハブレスおよび電動機構を組み合わせた「Penn-E-Farthing」を製作した。

この自転車は、米国では「ハイホイール」とも呼ばれる「ペニー・ファージング」型自転車の、巨大な前輪をハブレス化し、小さなリアホイールを電気モーター駆動化している。フレームは鋼管を加工して製作し、52インチある前輪ホイールはメープルとオーク材の積層合板で作られ、3組のゴムローラーで保持される。

Imge:Christopher Terpstra

前輪タイヤは中空ではなく、工業用モーターの動力伝達用Vベルトを切り開いて、接着剤と釘でリムに固定されている。また後輪を動かすモーターは、子ども向けのダート用電動バイク「Razor MX350 Dirt Rocket」から流用した。ちなみに、一般的なペニー・ファージング自転車は前輪が駆動輪だ。

このバイクは『グリンチ』や『ロラックスおじさんの秘密の種』などの原作者ドクター・スースの作品や、映画『ワイルド・ワイルド・ウェスト』に登場する蒸気動力のハイホイール自転車からインスピレーションを得たとのこと。Terpstra氏は、特に映画の蒸気ハイホイールが羽を広げて空を飛ぶのを格好良いと思い「自分でも作ってみたいと考えたが、今回の電動バイクはまだ飛ばない」バージョンだと述べた。

Terpstra氏はまた、積層合板でホイールを作るのにかかる時間を理解していなかったとしつつも、時代遅れの工具と手作り治具での製作を大いに楽しんだという。そしてCADで設計した後もそれが機能するかどうかは半信半疑だったが、できあがったPenn-E-Farthingに乗ってスロットルを回すと、意図したとおりに走行することができたと述べている。

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