今回は縁がなかったということで…

AI警備ロボット、NY市警が正式採用を見送り。タイムズスクエア駅で2か月のテスト終了

Image:nyc.gov

ニューヨーク市警(NYPD)のテストプログラムとして、数か月にわたりタイムズスクエア駅の巡回警備に当たってきたAI警備ロボットは、12月をもって最後の勤務を終えた。

市警関係者いわく、Knightscope K5をベースとする、アニメ『電脳コイル』に登場する「サッチー」を連想しそうな形状のロボットは、もはやニューヨーク地下鉄には配備されていないという。

K5には、周囲の様子を録画するカメラと、市警(の人間の担当者)に連絡をとるための通報ボタンが搭載されていた。そして見習い採用として2か月間、深夜から翌朝6時までタイムズスクエア駅をパトロールする勤務に勤しんだ。

ニューヨーク市長のエリック・アダムス氏は、K5の試験導入を発表した際、犯罪と戦うための「革新的なツール」だと大々的に宣伝し、その時給(リース料)が約9ドルで人の最低賃金よりも安価なうえ「トイレ休憩も食事休憩も必要ない」と述べていた。

New York Timesが駅の利用者に聞いたところでは、K5は自律的に行動できる能力があるとされているが、自ら池に飛び込んだ過去の例も考慮されたのか、駅構内をパトロールするときはいつも数人の警官が同行していたという。また、それ以外の時間はほとんど充電中だった。

さらに、約180kgの重さがあるこのロボットは腕がなく、車輪駆動であるため、駅構内にあるちょっとした階段による段差を越えて行動できなかった。本体上部には四方にそれぞれカメラがあるが、将来そこに顔認識やその他の監視機能が追加されることを懸念するプライバシー擁護派たちの声も聞こえていたという。

NY市の代表的な法的支援団体Legal Aid Societyの弁護士は「アダムス市長は、古くからの問題にハイテクで対処するという誤った解決策に気を取られ続けている。NYPDの地下鉄ロボットは無駄な出費であり、正当な安全目的を果たすこともできない公共ギミックでしかない」と述べた。ちなみに、市はKnightscope社からK5ロボットをリースしており、現在は次の配属先を検討しているという。

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