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ロボット警備員をNY市警が採用。地下鉄タイムズスクエア駅に配備へ

Image:nyc.gov

ニューヨーク市長のエリック・アダムス氏は、Knightscope社の警備ロボットK5を地下鉄のタイムズスクエア駅に配備し、夜間の巡回パトロールを行わせると発表した。

同市長によるとニューヨーク市警は人員が減少しており、その対策のためにテクノロジーを使用するとのことだ。そして、K5はその運用において「緊急事態や犯罪発生の際にあとからそれを確認するための動画を記録する。ただし動画に音声は含まれない」と述べている。

Knightscope K5ロボットは、深夜から朝6時までの時間帯にタイムズスクエア駅構内を巡回する。乗客たちが何かをたずねたいとき、または何かトラブル事項を報告したいときに、担当者を呼び出せるボタンも用意されているという。

アダムス市長は、ロボットが運用開始から「最初の2週間は駅をマップ化するために訓練される。駅の主要なエリアを移動するが、プラットホームには進入しない」とも述べた。

CBSが伝えるところでは、ニューヨーク市民のうち一部にはロボット警備員に懐疑的な意見もあったという。たとえばある人は「これは無駄な出費を増やすだけだ。それがトランスフォーマーのように脚を生やして誰かを蹴飛ばしたりできなければ、実際には何もしないのと同じことだ」と述べた。また別の人は、ロボットを導入しても結局「人による警備」が必要になるとした。なかには「試す価値はあると思う。ここはもうこれ以上悪くなりようがないのだから。違う?」という意見もあった。

ただし、当局は乗客数が増加しているにもかかわらず、地下鉄構内での犯罪件数は減少していると述べている。ニューヨーク市警の公共交通機関担当者マイケル・ケンパー氏は「地下鉄での犯罪は前年比で4.5%減少している」とコメントした。

アダムス市長によれば、タイムズスクエア駅のロボットは、常に2人の警官と一緒に行動することになるだろうとしている。しかし、市がK5のAIを鍛える最初の2か月を超えて、以後もロボットを使用し続けることを決めた場合は、ロボットは単独で駅構内を巡回することになる。

ちなみに、ニューヨーク市が市内の公共機関にロボットを導入するのはこれが初めてではなく、7月には非常時用の監視ドローンの導入を発表している。

K5は特に新しいロボット警備員というわけではなく、2017年にはオフィスビル周囲をパトロール中に自ら池に転落して「ロボット初の自殺」などと言われたこともあった。ただし今回ニューヨーク市が導入するK5は、池に落ちたK5とは形状が異なり、より転倒しにくくなっているようだ。

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