AirPower失敗後のMagSafeは順調

アップル、MagSafeの初期プロトタイプ写真が公開。発売中止のAirPowerと同時期に開発か

Image:Kosutami(X)

アップルは2017年、iPhone Xと同時に複数の機器を同時にワイヤレス充電できる「AirPower」を発表した。結局は「我々の高い水準を達成できない」として発売されなかったが、同時期に開発されたという“MagSafeプロトタイプ”がネットで公開されている。

著名リーカーKosutami氏はX(旧Twitter)にて「MagSafe充電器の未発表プロトタイプ」と称する写真をシェア。同氏はアップル未発表製品のコレクターとして知られており、最近も開発中という液晶ディスプレイを備えたHomePod試作機を公開していた

この「超レア」だというMagSafeプロトタイプは、AirPowerと同じ2017年3月頃に製造されたとのこと。いったんプロジェクトは中止された後に、再開されたという。

最後の写真には、すでに磁石は内蔵され、現在の製品版と同じサイズだがより薄く、HomePodのボタンと同じ素材で、過去のデザイン言語に沿っているとの注釈がある。

実際にMagSafe充電器が発売されたのは、2020年のこと。最初の対応モデルである「iPhone 12シリーズ」と同時にリリースされた格好だ。

AirPowerはiPhoneやApple Watch、AirPodsを同時に充電できるはずだったワイヤレス充電マット。一度はAirPods要充電ケースの箱に掲載されたりと発売の兆候はあったが、噂された過熱や発火の問題(小さなコイルを大量に使ったため)、ソフトウェアのバグが解決できなかったようだ。

その後も問題を克服できたと示唆する試作機の写真がリークされていたが、今に至るまで製品は発売されていない。

とはいえ、限定的とはいえ同時充電できるサードパーティ製品が登場しているほか、新ワイヤレス充電規格Qi2にはMagSafeの技術も採用され、事実上の業界標準となりつつある。AirPowerの失敗で方針転換したことが、プラスに作用したのかもしれない。

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