iPhone用、Android用の違いを考えずに済むようになる?

新ワイヤレス充電規格「Qi2」発表。アップルがMagSafe技術を提供

Image:guteksk7 / Shutterstock.com

ワイヤレス充電規格「Qi」を策定するWireless Power Consortium (WPC)が、次世代規格となる「Qi2」を発表した。注目点は、この規格に対してアップルが、同社の「MagSafe」で独自に採用していた磁石による正確な位置合わせや、認証機能に関する技術をWPCに提供しているところにある。

最高出力が15Wである点や、異物検出機能を搭載する点などは、Qi2と現行のQiとで変わりはない。ただ、WPCはアップルと協力して新たな「Magnetic Power Profile」を開発したことで、スマートフォンなどのモバイル機器と充電器が相互に連携し、エネルギー効率の改善と高速充電を実現すると述べている。

実質的に、Qi充電規格とMagSafe規格の融合とも言えるQi2であるため、この新しい充電規格はiPhoneでもAndroidでも、分け隔てなく利用できることが期待される。

WPCは、「Qi2の仕様が完成したら、すぐに次のバージョンのQi2の出力プロファイルを大幅に向上させる作業に取りかかる」と述べており、最大出力ワット数の引き上げなどが行われる見込みだ。

また、WPCはプレスリリースで「平面対平面では充電できないデバイスにも市場を開放する」と述べており、たとえばスマートウォッチのようなデバイスへの充電にもQi規格で対応していくことを示唆している。これも、アップルがApple Watchに搭載している磁気高速充電器の技術を流用したものかもしれない。

アップルの今回の動きは、欧州およびインドがモバイル機器の充電端子のUSB Type-C統一をメーカーに義務づけたことを受けたものとも考えられる。Lightning規格で独自のエコシステムを構築していたアップルは、USB Type-Cへの統一でこれを失うことになる。そこで、引き続きiPhoneなどの充電に関する市場をコントロールするために、MagSafe関連技術の提供により、アップルがQi規格への影響力を獲得しようとしている可能性もないとは言えない。

MagSafeとともに提供した機器相互認証機能によって、Qi2規格に対応したうえで、MFi製品のように自社が審査・認定した製品でないと充電できないような仕組みを作ることもできるだろうと、テクノロジー情報サイトのThe Vergeは深読みしている。たしかにそうであれば、粗悪な充電器を使ってデバイスを傷めたり、充電できないといったトラブルを回避するのには役立つだろう。とはいえ、自由な市場という方向性とは若干話が異なってくる。

なお、アップルは記事執筆時点ではMagSafeワイヤレス充電の今後についてなにも発表していないため、Qi2への対応をどのように行っていくかはまだわからない。

WPCによると、Qi2に対応する製品が市場に登場するのは今年の終わりごろになるとのことだ。

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