中国政府への批判は「不適切な発言」

中国政府、iPhone「AirDrop」の暗号解読と送信者特定に成功したと主張

Image:oasisamuel/Shutterstock.com

中国の国家機関が、iPhoneなどアップル製品に搭載されているファイル共有機能「AirDrop」をクラックし、「不適切な発言が含まれる動画」などをシェアする送信者を特定できるようになったと主張している。

AirDropは近くにあるiOSデバイスやMacなどを検出し、Wi-FiやBluetoothによってファイルを転送できる機能だ。ユーザーは写真やビデオ、ドキュメントや連絡先、パスワードなどをデバイス間で直接、Wi-Fiルーターやインターネット接続を介さずに送受信できる。

アップルはAirDropの接続がTLSにより暗号化されているため、安全だと宣伝している。が、北京市司法局(BMBJ)は暗号化を回避する方法を考案したとのことだ。

公式サイトによると、BMBJはiPhoneのログを徹底分析して「レインボーテーブル」を作成し、暗号文を元のテキストに変換することに成功。これによってAirDrop送信者の電話番号と電子メールアカウントをひも付けることを可能にしたという。

BMBJでは、この匿名追跡にまつわる「技術的ブレイクスルー」によって、AirDropを悪用している複数の容疑者の特定に成功したと述べている。

こうしたAirDropによる(中国政府にとって)「不適切な発言」の拡散は、2020年秋頃から報じられていた。新型コロナ禍による都市封鎖がピークに達していたなか、習近平国家主席を批判するポスターがシェアされていたというものだ。

その直後、アップルはiOSをアップデートし、中国ユーザー向けにはAirDropの機能制限を追加していた。宛先に「すべての人」を指定した場合、10分経過すると無効になるというものだ。

さらにiOS 16.2では、この制限は全世界に拡大されている。公式には「望まない相手からのコンテンツの受信リクエストを防止」とのことで、混雑した場所でのスパム防止のためだと示唆しているようだ。

中国でのiPhone販売台数は、2024年第1週に前年同期比で30%も減少していると報じられていた。その一方でファーウェイは急速にシェアを回復していたが、今回のAirDropクラックが現地でのiPhone販売にどう影響するかにも注目したいところだ。

関連キーワード: