しかし今度は音楽にクレームが

ディズニー、YouTubeで『蒸気船ウィリー』使用動画に著作権侵害申し立てをするも抗議受け撤回

Image:Walt Disney Animation Studios(YouTube)

先週金曜日、ディズニーはYouTube上にアップロードされた1928年の短編アニメ映画『蒸気船ウィリー』の映像を使用した動画への著作権侵害申し立てを撤回した。

問題の動画はYouTuberで声優のブロック・ベイカー氏が、ミッキーマウスが登場する上記映画に独自のアテレコ音声をかぶせてアップロードしたものだが、ベイカー氏がこの動画をYouTubeに公開すると、即座に著作権侵害の申し立てが起こされたという。

しかし、ベイカー氏はこの措置に対して『蒸気船ウィリー』の著作権保護期間は2024年1月1日をもって終了していると抗議をしたところ、ディズニー側はこれを認めて申し立てを撤回したとのことだ。

テクノロジーニュースサイトのMashableによると、YouTubeはアップロードされた動画に関して著作権保有者に侵害に関する仲介はしていないと主張。そのため、著作権侵害コンテンツの発見と異議申し立てをするのは著作権保有者の責任となる。しかしベイカー氏の動画が、公開からすぐに申し立てを受けたことから、YouTubeが動画のContent IDデータベースを参照し、自動的に著作権侵害を検出し申し立てを行った可能性が高いと報じている。

なお、日曜日になってYouTubeは再びベイカー氏に著作権侵害の申し立てを通知。動画そのものは問題ないものの、動画で流れるBGMの権利を主張するUniversal Music Group(UMG)からのものとなっている。

他にも、Blueskyユーザーのマット・リー氏が、やはり『蒸気船ウィリー』を自身のチャンネルにアップロードしたところ、ディズニーから著作権侵害を主張する申し立てを受け「チェコ、ドイツ、ギリシャ、イタリア、ポーランド、スペイン、スイスではブロックされている」とのメッセージを受け取ったと報告した(ただし、リー氏はその後Xのアカウントを非公開にしている)。

これに関しては、『蒸気船ウィリー』の著作権保護期間がまだEUにおいては終了していないとの指摘もあるようだ。ただ、EUの国々では著作物が制作された国と使用する国の保護期間のうち、短い方の期間を適用する決まりになっており、既にこの映像の著作権保護は終了していると考えるのが妥当だ。制作国と自国のいずれかの内、短い方の著作権保護期間を採用するルールは、日本の法律でも同様となっている(著作権法第58条)。

ちなみに、ディズニーは『蒸気船ウィリー』の著作権保護期間が終了しても、手袋や大きな靴を履く現代版ミッキーマウスの商標権は手放していない。商標権は更新制となっており、これを怠らなければ永久に保持し続けることができる。もし二次創作などでミッキーマウスを使用して、その後何らかの形で商標権を侵害すると認められた場合はディズニーから警告を受けたり、訴訟になる可能性がないとはいえないので注意が必要だ。

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