AMDのFSR 3はPS5で使いにくい?

「PS5 Pro」、ソニー独自の超解像技術によりフレームレート最大50%向上か

Image:Girts Ragelis/Shutterstock.com

PlayStation 5の強化型モデル「PS5 Pro」に関する情報は、これまで何度もリークされてきた。以前もソニーは中世代機(次世代機に至らない改良モデル)「PS4 Pro」を投入したことから、登場する可能性は高いだろう。

その方向性としてはレイトレーシング強化/高速ストレージ/超解像技術の“三位一体”と伝えられていたが、うち超解像技術につき具体的な噂話が届けられている。

著名リーカーJeff Grub氏のポッドキャスト番組「Game Mess」によると、業界関係者はPS5 Proが2024年9月に発売されることを確認しており、ソニーはフレーム生成技術のため独自のハードウェアとソフトウェア(NVIDIAのDLSSと同種のもの)に取り組んでいるという。

ここでいうフレーム生成技術とは、実際に描画したフレームから新たにフレームを生成し、それを挿入することで見かけのフレームレートを向上させるものだ。NVIDIAの超解像技術DLSSは、このフレーム生成も包摂している

今回の情報源によれば、このソニー独自技術はフレームレートを最大50%も改善する可能性を秘めているという。DLSSと同様に、ハードウェアによる機械学習を用いて追加フレームを生成し、滑らかさを向上させるとのこと。現行のPS5は4K/60fps表示が可能なゲームもあるが、PS5 Proは(解像度によっては)120fpsを実現できる可能性もありそうだ。

なぜ、ソニーは独自にフレーム生成技術を開発する必要があったのか。PS5やXbox Series X|SにCPU/GPUを供給しているAMDは、9月に超解像技術「FidelityFX Super Resolution 3(FSR 3)」を発表し、すでにXboxの『FORSPOKEN』等にアップデートを提供開始している。しかし、同じくAMD製チップを採用しているPS5には今のところ言及がない。

海外テックサイトTom’sGuideは、XboxがWindowsを搭載し、DirectX 12が組み込まれているためだと推測している。FSR 3はこれによりワークロードを非同期で実行し、最高性能を引き出せる。

かたやPS5はLinuxベースのOSで動いているため、これらの処理を単一のタスクとして順次実行するしかなく、性能向上のボトルネックとなりかねない。ざっくり言えば「FSR 3はWindows=Xboxでは使いやすいが、PS5では使いにくい」というわけだ。

ちなみに、今回の発信源となったJeff Grub氏は当たり外れが大きいことで知られている。たとえばNintendo Directで発表されるゲームの予想を悉く外し、謝罪を表明したこともあった。その一方で「新型PlayStation携帯機」(後のPlayStation Portal)はいち早く予想しており、情報網にムラがあるようだ。

ともあれ、「PS5 Proに超解像技術が搭載」は複数の情報源が主張していることでもあり、信ぴょう性が高まったと言えそうだ。

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