iOSや他社Androidスマホ向けのAWBとは差別化

Google、Pixel専用AIアシスタント「Pixie」開発中か。マルチモーダル予定との噂

Image:Google

Googleは今月初め、次世代AIモデル「Gemini」を発表した。次の課題は様々な製品に統合することだが、今のところチャットボットBardに「Gemni Pro」を、Pixel 8 Proの一部アプリに「Gemini Nano」を提供した(ともに英語版のみ)だけに留まっている。

このGeminiを、自社Pixelデバイス専用のAIアシスタント「Pixie」に搭載する予定だとニュースメディアThe Informationが報じている。

情報筋によると、このAIアシスタントはGmailやマップ、その他 「Google製品のデータ」をスマホ上で活用。それにより「Googleアシスタントをはるかにパーソナライズされたバージョン」に進化する可能性があるそうだ。つまり、ユーザー1人ひとりの属性や行動履歴に合わせた対応をする、ということだろう。

またThe Informationの別の記事では、Pixieが「複雑でマルチモーダル(音声や画像、テキストなど種類の異なる情報を一度に処理する)なタスク、たとえば撮影した商品を買える最寄りの店舗への道順を提案できる」 ことを目指していると付け加えている。

具体的なリリース時期については、次期フラッグシップ機「Pixel 9」と「Pixel 9 Pro」と同時かもしれないという。そのタイミングから考えると、Pixieは10月に公開した「Assistant with Bard(AWB)」とは違うようだ。

このAWBはPixel専用ではなく、「数か月後に、AndroidとiOSのモバイルデバイスで利用できる」と予告していた。かたやGoogleは、Pixel 8 Pro向けにGemini Nanoを搭載する際に「より幅広いGeminiモデルファミリーが、来年早々にPixel上でAWBの新機能を開放する予定だ」とも述べており、やはりPixel向けアシスタントは特別仕様とするようだ。

Googleは、これらAI機能を「低価格帯のスマートフォンやウォッチのようなデバイス」に搭載したいと考えているという。Pixelスマホの過去モデルやPixel Watchシリーズでも、クラウドサーバーに負担を肩代わりさせることで提供する計画かもしれない。

さらにGoogle社内では「装着者が見ている物体を認識できるAIを活用したメガネ」を検討しているという。このウェアラブル機器は「道具の使い方や、数学の問題の解き方、楽器の演奏方法などをアドバイスする」可能性があるとのことだ。

要はカメラが搭載され、音声ないしディスプレイ表示で出力するとも推測される。GoogleがこうしたARメガネ開発に取り組んでいることは、同社自らが予告したほか、未発表製品も噂されてきた。

だが、今年6月には「Project Iris」が開発中止と報じられ、8月にはサムスンと共同開発のMRヘッドセット計画が頓挫しそうだとも伝えられていた。自社製ハードウェアが無理であれば、他社にソフトウェア技術のみ提供もあり得るのかもしれない。

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