M3、M3 Pro、M3 Maxの開発コストを回収するため?

「M3 Ultra」搭載のMac ProやMac Studio、2024年末まで登場しない可能性

Image:Hadrian/Shutterstock.com

アップルは世界最先端の3nmプロセスで製造された「M3」「M3 Pro」および「M3 Max」チップを、新型MacBook ProやiMacと共に10月に投入した。そのため、わずか4か月前に登場したM2 Ultra搭載Mac ProやMac Studioの立ち位置が揺るがされた感もあった。実際、M3 Maxのベンチマーク結果はM2 Ultraに肉薄している

しかし、Mac ProとMac Studioどちらも、後継モデルの発売は早くても2024年末であり、2025年にずれ込む可能性があると著名ジャーナリストが主張している。

アップルの内情に詳しいBloombergのMark Gurman記者は、ニュースレターPower On最新号にて、最新世代プロセッサー(M3シリーズチップ)を搭載していないMacはMac ProとMac Studioの2台だけになったと指摘。だが、それらのアップグレードはしばらくなく、M3搭載MacBook Airの方が早く発売されると示唆している。

以前Gurman氏は、M3の最上位チップ「M3 Ultra」が「まだ広範なテストに入っていない」と述べていた。その一方でM3 UltraはCPU32コア、GPU80コア、最大RAM容量256GBだとも伝えていたが、これらはちょうどM3 Maxを倍にしたものだ。

初のAppleシリコン最上位チップM1 Ultraは、インターコネクト技術(ダイ同士を広帯域かつ低遅延で繋ぐ)によりM1 Maxをニコイチとしており、M2 Ultraも同じ手法を採っていた。おそらく、M3 Ultraも「M3 Maxを2つ繋げた」ものになるのだろう。

最近のチップ設計は莫大な費用が掛かっており、M3、M3 Pro、M3 Maxのテープアウト(設計から製造に移行する最終段階)だけで10億ドルかかったとの分析もある。M2 UltraやM3 Maxの製品寿命を長引かせて投資を回収するためにも、M3 Ultraの投入は意図的に遅らされる可能性もあるだろう。

また現行のM3シリーズチップは、台湾TSMCの「N3B」技術で製造されているが、今後はコストの安い「N3E」に切り替えられるとみられている。その移行に合わせるためにも、M3 Ultra発売を急がないのかもしれない。

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