初期生産台数はわずか3万台との噂も

サムスン、MRヘッドセット「Samsung Glasses」商標登録か。2024年後半に発売?

Image:catwalker/Shutterstock.com

サムスンがアップルのMRヘッドセット「Apple Vision Pro」を意識して、競合製品を開発中であることは複数の情報筋から伝えられてきた。

そんななか、サムスンがヘッドセット製品を「Samsung Glasses」として商標出願したと著名リーカーが報告している。

サムスン関連情報に詳しいConnor氏は、同社がヘッドセット商標をUKIPO(英国知的財産庁)に出願した、とXにて述べている。11月10日に登録され、12月に量産が始まり3万台が生産されるとのことだ。

この少し前、韓国メディア中央日報はヘッドセットのコードネームが「Infinite(無限)」であり、2024年に3万台出荷すると報じていた。おそらくGalaxyブランドとなり、同年後半に開催する2回目の「Galaxy Unpacked」イベントにて発表する意向とのことだった。

この3万台という数字は、Apple Vision Proの出荷台数(2024年内)40万台を大幅に下回る。非常に少なくニッチ製品となる印象だが、サムスンが製品に対する反応と売れ行きを見ながら、今後の生産・マーケティング計画を立てるためだという。同社の初代折りたたみスマートフォンGalaxy Foldも初期生産は2~3万台だったが、徐々に増やしていったとのことだ。

初期のプロトタイプは、Exynos 2200チップを搭載しているとの噂もあった。このチップは一部地域向けのGalaxy S22シリーズに採用されていたが、処理速度も限られているほか、発熱問題も抱えていた。こちらは開発中止と伝えられているが、M2プロセッサーを搭載したVision Proには対抗すべくもないだろう。

本製品の存在は、今年2月のGalaxy Unpackedイベントで漠然とした形だが予告されていた。Googleと提携してAndroidによる没入型MR体験の実現に取り組んでいると述べていたが、6月のVision Pro発表を受けて撤回されたとすれば頷ける。

また中央日報はXR(VRやMRを統合した概念)市場において、サムスンがクアルコムやGoogleと提携して「反アップル同盟」を立ち上げたと主張。だとすれば、Meta Quest 3にも採用されたSnapdragon XR2 Gen 2ないしバリエーションが搭載される可能性が高そうだ。

これまでサムスンは、Gear VR(2025年発売)やOdessy Plus(2018年発売)などXR機器を投入してきた。だが、いずれも大きな注目を集めることなく販売終了している。次期ヘッドセットも初期生産が3万台に絞られていれば、低価格は考えにくくはあるが、戦略的な価格設定を期待したいところだ。

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