座席数と便数を増やしたい考え

Virgin Galactic、次世代宇宙機開発のため人員削減で経費節減

Image:Virgin Galactic

ヴァージン・グループ総帥のリチャード・ブランソン卿が設立し宇宙旅行ビジネスを展開するVirgin Galacticは、現在使用しているSpaceShip Twoに続く次世代機の開発で必要になる経費を節減するため、「リソースの戦略的な再編とそれに伴う労働力の削減」行うと発表した。

2022年末時点で1166人いた人員を、具体的にどれほど削減するのかといった詳細は明らかにされていない。だが、すでに削減対象となる従業員には通知を行い始めているとのこと。

マイケル・コルグラジアCEOは、従業員に宛てたメッセージのなかで、解雇およびその他の経費削減は次世代機の開発に資金を確保するためであり、これらの車両は既存のSpaceShipTwo(VSS Unity)に比べ、より飛行頻度を増やし、かつ低コストで飛行することを意図していると述べている。

また、現在の社会情勢による高金利や地政学的な出来事による不確実性も、資金アクセスの面で不利な方向に作用したと述べた。

Virgin Galacticは次世代機としてSpaceShip IIIを開発してきたが、機体生産量を増やすために再設計を施した、Delta Classと呼ばれる宇宙機に開発をシフトしている。

Delta Classは、SpaceShip Twoに比べて搭乗人数(座席数)が1.5倍に増える。そして飛行頻度は現在の月あたり1便から、週あたり2便にまで増やせるという。1機あたりのコストは5000万~6000万ドルだが、少なくとも500回の飛行が可能なように設計されている。

組み立てについては、2024年第2四半期に完成予定のアリゾナ州フェニックスの新工場で行われる。2025年夏に試験飛行を行い、2026年には2機のDelta-classを使った商業飛行を開始、利益を生み出せるようにしたい考えだ。

そのため、Virgin Galacticの宇宙旅行ビジネスは、来夏から約1年のあいだ休止するという。なお、SpaceShip Twoの最新の飛行は11月2日に行われ、成功した。次回の飛行は1月に行われる予定だ。

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