約800人が搭乗待ち

Virgin Galactic初の商業宇宙飛行、6月29日に打ち上げ決定

Image:Virgin Galactic

大富豪リチャード・ブランソン氏の宇宙企業Virgin Galacticが、初の商業宇宙飛行ミッション「Galactic 01」を6月29日に実施すると発表した。以前の計画では6月27~30日の間としていた。

初のミッションに搭乗する “乗客” は、イタリア空軍およびイタリア学術会議の科学者ら3名。イタリア空軍大佐のWalter Villadei氏は、Axiom Space社による国際宇宙ステーション(ISS)への民間有人ミッション「Ax-2」のバックアップクルーとして登録されていた人物で、このミッションにおける乗客のリーダーとなる。イタリア空軍からはもうひとり、医師資格も持つAngelo Landolfi中佐が搭乗。そしてイタリア学術会議からは、研究者のPantaleone Carlucci氏がSpaceShipTwo(VSS Unity)に乗り込む。

3名はフライトの前後も含めて合計13種類の実験をこなす予定で、特にVilladei氏は最大6Gの環境下でも作動する特別設計の「Smart Flight Suit」を着用して生体医学データを収集する。

乗客キャビンにはVirgin Galacticの宇宙飛行インストラクターを務めるColin Bennett氏も搭乗し、研究ミッション全体の体験を評価することになっている。

イタリア空軍との契約は2019年10月に結ばれ、当初は2020年後半もしくは2021年初めにミッションを実施する計画だった。しかしブランソン氏も搭乗した最後の試験飛行後、Virgin Galacticは初の商業飛行の計画を延期し、先にメンテナンスを行うことを選択していた。

Virgin Galacticは「この飛行は、研究者が自身の実験のために飛行できる独自の宇宙飛行システムと、科学技術コミュニティに対する定期的な宇宙へのアクセスを提供できる能力を示すものだ」と述べた。

とはいえ、もちろんVirgin Galacticのビジネスモデルは、最大45万ドルを支払ってチケットを購入した民間の搭乗者からの収入が柱になる。現在、搭乗待ちの行列には約800人が並んでいる状況であり、今後「Galactic 02」ミッションから、月に1度のペースでフライトが行われる計画であることが発表済みだ。

将来の計画としては、商業宇宙飛行の拡大、新しい宇宙港の建設、さらなる宇宙船の機体開発などが含まれている。ビジネスが軌道に乗れば、より多くの人々が宇宙に出かけられるようになるはずだ。ただしジェフ・ベゾス氏のBlue Originもすでに商業宇宙旅行サービスを開始しており、ライバル企業が増えてくる可能性もある。

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