収益分配は全員がトクする良い取引?

Google、セキュリティ更新を怠るAndroidスマホ企業には収益分配を減らすと明かす

Image:Jay Fog/Shutterstock.com

米司法省がGoogleを反トラスト法違反の疑いで訴えた裁判では、Googleがアップル製品でのデフォルト検索エンジン(ブラウザ初期設定の検索エンジンをGoogle製とする)代金としていくら支払っているかなど、多くの秘密が明らかとなっている

それに続き、GoogleがAndroidスマートフォンメーカー各社にもデフォルト検索エンジン代を支払っていることを、同社のスンダー・ピチャイCEOが事実だと認めた。

ピチャイ氏は法廷で、Googleがデフォルト検索エンジンの地位を守ることがビジネス上の戦術であり、それは収益分配により推進していると語った。そのために費やした資金は、2021年だけで263億ドルにも上ることも判明している

もう1つ興味深いのは、それは単に金銭的な利益を追求したものではない、と主張していることだ。質疑の中でピチャイ氏は、サムスンやモトローラなどAndroidスマホ各社との契約を明らかにしつつ、Googleが渡す収益分配の一部は、端末がセキュリティ・アップデートを受けるかどうかに依ると確認した。

つまり、小まめにセキュリティ更新を配信するメーカーであれば多めに収益を受け取り、そうでない企業は減らされると示唆しているようだ。

ピチャイ氏は「次のバージョンの開発にはより多くの労力が費やされ、アップデートはコストがかかる……そのため、時にはトレードオフすることもある」と付け加えた。おそらく、一部メーカーがセキュリティアップデートを配信する頻度が低いことを指しているのだろう。

すでに、Googleは、Android端末がデフォルト検索エンジンとして同社製を採用し、PlayストアやPlayサービス等を目立つ場所に配置するよう要求していることが明らかになっていた。が、セキュリティ更新を配信させるために収益分配を使うという方針は、今回初めて分かったことだ。

こうした収益分配を通じた戦略を、Google側は「より多くの人々がより多くのGoogle検索をするようになり、取引に関わる全員が報酬を得る」意義があり、違法ではないと主張。これに対して米司法省は、Googleがプラットフォームやパートナー企業を楔としており、競争を排除していると指摘している。

今のところ裁判のゆくえは見えてこないが、ともあれセキュリティ更新が滞りがちなAndroidスマホメーカーに対して、人々の見る目が変わりそうだ。

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