クアルコムのSnapdragon Xシリーズ発表に対抗?

アップル、10月31日朝にイベント開催。「M3」MacBook ProやiMac登場か

Image:Apple

アップルは25日未明、2023年2回目となる秋のイベント「Scary Fast」開催を発表した。日本時間では10月31日午前9時から。今回もアップル公式サイトやApple TVアプリ等で配信される、バーチャルイベントになる見通しだ。

イベント公式サイトには、MacのFinderアイコンに変形するアップルロゴが掲載されており、新型Macの発表はほぼ確実とみられる。

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そこで焦点が当てられるのは、次期チップ「M3」搭載のMacBook Proモデルだと著名アナリストが主張している。

アップルの未発表製品に詳しいMing-Chi Kuo氏は、Xにて「new MBPs」と複数形で表現。このことから、単一モデルではなく複数モデル、M3のほか「M3 Pro」「M3 Max」といった上位チップが登場すると示唆しているようだ。

もしM3バリエーションが3つとも同時にリリースされるのであれば、13インチ、14インチ、16インチMacBook Proへの搭載が予想される。

以前Kuo氏は、2023年内にMacBook Proの新モデルが登場することはないとの予想を繰り返していた。だが、今回それは「2023年第4四半期の出荷台数が限られている」との観測をもとに、今年の発売はあり得ないと考えたと弁明している。

そうした年内の出荷台数予想は一貫しており、もし11月~12月に新型が発売されても、需要が弱まらない限り、2024年第1四半期まで逼迫した供給は続く見通しとのこと。つまりM3 MacBook Proの品薄はしばらく解消されないというわけだ。

さらに2023年内のMacBook出荷台数が大幅に減るのは、主に「M2コンピューティングパワーのアップグレードが限られていたため」とのこと。そうしたパワー不足のM2モデルを出荷し続けるよりも、まだ生産台数が少ない段階でM3 MacBook Pro発売に踏み切るのではないかと推測している。

数日前、BloombergのMark Gurman記者が10月末にMacイベントが開催され、13インチ~16インチMacBook Pro発表が準備中だと述べたばかりだ。そのGurman氏も、数か月前には年内の14/16インチMacBook Pro後継機の登場はあり得ないと主張していただけに、アップルの動きは識者らの予想を超えていたのだろう。

Gurman氏は、23インチiMacも月末のイベントで登場すると予想していた。現行モデルはM1ベースチップを搭載しており、後継モデルもM3ベースチップ採用が妥当だろう。ここまでに候補に上ったMacモデルはすべて、米国の公式オンラインストアで出荷予定が大幅に延びており、新型の登場を予感させている。

Kuo氏は、もしM3でもMacBookの出荷台数を後押しできなければ、2025年に「全く新しいデザインのMacBook Pro」を投入する可能性が高まると予想。「より手頃な価格のMacBookモデルの投入」の検討もあり得るという。

アップルがイベントを告知したのは、クアルコムがAppleシリコン対抗チップ「Snapdragon X」シリーズを発表したのとほぼ同じタイミングである。まだ十分に新型MacBookの在庫がためられていないなか、やむを得ず対抗策を打ったのかもしれない。

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